新庁舎の進め方の不可解

裁判の反省はどこに?
新庁舎の基本計画が昨日ホームページにアップされ、パブコメが始まったようです。
http://www.city.okegawa.lg.jp/shisei/47/177/p001488.html
新庁舎建設ノサイトから入り、さらに何回か開けなければならず、わかりにくくなっていますが、広報にも載っています。
2006年にプロポーザルを実施し、㈱マツダ平田設計に設計業者を決め、→その後に隣接地を購入すると説明されていたのが、借地のまま容積率を借りて建設する計画を突然発表し、→これに対して議会が用地を取得してから設計を進めるようにと意見書を出し、→買収のめどがつかないからと設計解除をし、→2700万円の契約金から709万円を損害金として2007年3月末に密かに支払い→6月議会の質問で答弁するまでひた隠しにしていたことから
情報公開で調べたところ、議会の議決が必要な損害金の支払いを、成果品の出来高払いと偽装していたことがわかり→監査請求→裁判(地裁では市の裁量権の範囲と市の言い分が認められ→しかし、高裁で逆転。市は違法な支出をしたと断定、市長、副市長、マツダ平田は709万円を市に返還せよとの判決が出され→市長がこれを不服として最高裁に再審請求(しかし、訴えの定期は議会の議決が必要だったのに、議会をスルーして控訴、新たな問題に。)
その判決がまだ出ていない中.、この基本計画なるものが、庁内で決定されたようです。
だから、この間の経過はとても不可解です。なぜなら、2006年のプロポーザルの成果は無駄にしない(実際には何もないのに、裁判の手前、言わざるを得ないのですが)、「成果は生かす」と答えながら、これまでの経過は無視し、全く異なる手法を今回はとっているのです。
ちなみに、前回の設計業者選定の際の募集要領には、基本構想というものを出しています。これもいつの間にか作られたものですが、基本構想を指名業者に配布し、これをもとに基本設計を策定するように仕様書には書かれています。
庁舎基本構想2006 設計仕様書
庁舎基本構想2006
ところが、今回は基本計画。前回の基本構想から年月が経過していますので、当然変更するものはあります。人口想定も前回は8万人、今回は7万7千人、駐車場などの考え方も変わっています。
.従って、基本構想を修正し、それから市民の意見を入れた基本計画を策定するのが本来のあり方です。それを庁内で基本計画を作ってしまって.市民の意見を聞いた後にどのように変更するのでしょう。第一、どこがパプコメ(市民の意見)を検討するのてしょうか。
広報では,「意見の回答はしません」と、あるので、何を基準にどう検討し、誰がどういう判断をするのかは藪の中です。オープンなフリをして、その内実は計画的にやっているのです。
つまり、前回の反省が全く生かされていないし、反省もしていないということです。前回は、急いで庁舎を作りたい、建設業者を特定したいあまりに基本構想を庁内でつくり、その下のより具体的な計画である「基本計画」を市民参加で作らないで、プロポーザル業者に基本設計(基本計画をもとにつくる設計の概要)を指示し、誤魔化したのです。
今回は二度と同じ過ちはしないと言いつつ、結局のところまた庁内で基本計画を作ってしまったのです。あくまでも案で、パプコメを取るというかもしれませんが、役所というものは、一旦作った形をそう変えるものではありません。
私は今までほとんどの計画に常識的な意見を出していますが、まず採用されたことがありません。それがこれまでの行政の手法です。
改めて資料を見直すと
2006年9月議会で議論された意見書、なんと皮肉なことに、当時市議だった小野市長が意見書に反対をして、質問をしています.。この状況を誰よりも知っているのに、高裁判決を理解していないのではないでしょうか。
そして、奇しくも2006年当時の議長が岡地県議。意見書が可否同数となり、議長の一票で意見書が採択されたのです。当時のことを最もよく知る2人目の人物で、小野市長誕生の最大の立役者ですから、もし本当の意味で、岩崎市政の問題を分かっているのなら、苦言を呈することができる立場にあります。
2006年9月20日、本会議472ページからの議事録、ホームページでも見られますが、その部分だけ抜粋しました。
庁舎意見書+提案説明2006.9.20
仮設庁舎3億円は要りません
前回の基本構想では仮設庁舎の計画がありました。それは、建設敷地が現在の庁舎を壊して同じ場所に立てる計画だったからです。
隣接地は駐車場としてしか使えない、借地なので建物が建てられない計画だったからです。つまり、8000平米の床面積を確保するために必要な敷地面積が4000平米。(この地域は容積率が200%、現在地と隣接の駐車場で合計4500平米)
しかし.今回は桶中の旧柔剣道場を住宅の代替え地とし、残り部分は買収が決まったので、この駐車場として借りていた場所に建設が可能なのです。従って、今の庁舎をそのまま残し業務は続けても、新築工事ができるわけです。場合によっては南側だけとり壊す方法もあるのです。(南側は、市民安全課、産業観光課、農政課などと議会です。)
それを、危険だからと、仮設庁舎を別の場所に作り、引越しをしてまで、わずか1年足らずの工事のために3億円も使うとは、市民の税金をなんと心得ているのでしょうか.わざと事業をふくらませて、リース会社を儲けさせるようにするとしか考えられません。仮に国から経済対策でお金をどんどん使えと補助金が来たとしても、将来にわたって効果の発揮する使い方であるべきです。
もちろん、工事場所は危険が伴うものです。駐車場も不足するでしょう。でもそれは、可能な限り周囲の空き地や駐車場を借り入れ、今職員や公用車が置いてある駐車場を明け渡して使うことでまかなえます。東京の一等地でもっと狭い場所で高層ビルを建てているところもたくさんあります。
4階建ての建物の工事の安全が確保できないわけがありません。引越しも2回、しかも分庁舎の場所に仮説を建ててそこまで引越し、またそこから現在の場所に引っ越すと無駄です。
それこそ企業の提案でいろいろな工夫が可能なはずです。職員が安全を確保するように努力していて、短期間の不自由さに不満を言う市民がどこにいるでしょうか。
そんな努力もせずにお金で解決する市政そのものが、桶川の病巣なのです。2006年の意見書には、その議論も出されています。
パプコメ(意見募集)は今月いっぱい
少しだけ前進したことは、バブコメ期間を1ヶ月にしたことです。期間だけはやっと国並みになり評価しましょう。
あとは、意見をどう消化し、吸収し、できるだけオープンに議論し市民に返していくかが問われます。意見を出した市民に返していかないから、桶川は市民に見捨てられるのです。その結果が投票率の低さに現れるのです。(最も市民が諦めているから、現市政と現県議が誕生した、という人もいますが)
次回は選挙違反のことを書きますが、こんなことを言われないためにも、意見はオープンに、できるだけ市民に知らせて、ホームページも基本計画がすぐわかるように、できれば説明会などもするとか、閉鎖市政から脱却して欲しいものです。
そのためにも是非意見を出しましょう!
 
 
 

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