都市計画審議会とは

本日、都市計画審議会が開かれました。県の策定する都市計画の整備・開発・保全の方針の変更(5年に一度の見直し)に意見をのべることと、加納原地区の工業地域と区画整理事業の承認、生産緑地の解除の承認と、盛りだくさんで、午前9時半に始まり、昼を少し超えたところで終わりました。
私自身の反省として、誰もが午前中に終わると想定したことです。
しかし、関連する8つもの議案が出ている事や、整備・開発・保全の方針の変更など、大きな問題を短時間では無理だと市に言うべきでした。
まず、現場を委員が把握していなかったこと、生産緑地も現場を見た委員が少なかったことです。市が案内すべきだったのです。私も迂闊でした。
というのも、市から説明したい、と連絡があったのが先々週、予定いっぱいで、先週説明を受けるのがやっとでした。これも市の都合ばかり。
説明も、議員にだけやった、というので、びっくり。
考えられないことです。全員に説明して貰うのがやっとのスケジュールだったと思います。
これだけ重要なことは、現地の確認も含めて十分な時間と説明が必要なのに、都市計画審議会は軽視されているのかもしれません。
私は遅ればせながら、昨日、現場確認に行きましたが、工業地域となる境界や周辺の状況、生産緑地の確認など、難儀をしました。資料も写真もよくわからない資料なのです。
市の都市計画審議会の在り方
今回とても気になったことがありました。都市計画法は、専門用語も多く、制度も複雑です。本来まちづくりは市民が中心なのですが、もっと市民にわかりやすい解説や報告ができないものかと、常々思っていました。
ところが今回の変更では、県が定める都市計画なのに「埼玉県の将来都市像」をすべて取ってしまいました。
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(1)暮らしやすく、ふるさととして愛着のもてる都市
仕事帰りにオシャレな店で買い物が楽しめるなど、多くの人で中心市街地がにぎわっている。
都市と都市、都市の中心部と郊外部を結ぶ鉄道や道路、バスなどが充実して便利であり、誰もが外出を楽しんでいる。
身近なところに病院や福祉施設、子育て施設が充実しており、人々がふれあいながら暮らしている。
(2)誰もがいきいきと働いている元気な都市
充実した交通網や豊富な人材など埼玉の強みを最大限に活かして、国際的にも競争力が高く、日本経済を牽引する産業が集積されている。
身近なところに誰もが自分の能力を活かせる働き場があり、いきいきと働いている。
(3)地域の営みが未来につながる都市
街道や史跡、伝統文化など先人達が培ってきた地域固有の財産が保存・再生されて、美しい景観を形成し、まちのブランド力が高まっている。
田園地域では、雑木林や田畑が広がり、川には澄んだ水が流れ、子供達は自然とふれあいながら育っている。
住宅地のみどりや街路樹などが豊富で、道路・建築物や公共交通などの効果的な利用が進むなど、環境に優しい持続可能な都市となっている。
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この他、埼玉県のまちづくりの目標もとってしまいました。
削除した理由が振るっています。
「県の都市計画の基本方針である「まちづくり埼玉プラン」に謳っているため、個々の都市計画区域ごとには再掲するのをやめたため」
それなら、項目だけを載せて、まちづくり埼玉プランに詳細あり、などを入れるべきなのです。
なぜなら、県の「整備・開発・保全の方針」の考え方の土台となるものだからです。それを書かずに、いきなり桶川の都市計画の目標を記述するのは、市民・県民に対して、上から目線で計画を作っているとしか考えられません。
都市計画は住民が作る、「まちづくりは住民が主役」が基本です。広域的な周辺市町村との調和を保つ観点から、県が大きな枠で決める内容です。
従ってその考え方を説明なしに、簡略化してしまう県の姿勢は大いに問題です。
同じようなことがあります。
市の地域ごとの市街地像から
○ 生活拠点
坂田地区及び日出谷地区には、商業施設、公共施設、医療・福祉などが充実した生活を支える拠点を形成する。
を取ってしまいました。
その理由が「鉄道など公共施設によるアクセス利便性が高く、生活関連施設が充実し、地域生活を支える拠点と定義したため」
と理由が書かれています。
おかしい。 「意味が分からない。そうなると、桶川は中心拠点と産業拠点の2つの都市像なのか。桶川は8つの区画整理事業をやり、良好な住宅を目標にしてきた。生活環境を守るためにも残すべきではないか。」
市は「すでに終えたから」と説明するばかり。
そして、こう変えるようです。
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3 地域毎の市街地像
目指すべき市街地像やそれぞれの地域が担うべき役割を明確にするため、中心拠点及び産業拠点を位置づける。
〇 中心拠点 桶川駅の周辺は、環境との調和に配慮しながら、商業業務施設、公共施設、医療・福祉・子育て支援施設など多様な都市機能を集積し、まちの顔となる拠点を形成する。
〇 産業拠点 桶川東部工業団地や上日出谷原新団地区は、産業を集積する拠点を形成する。
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これに対して、司会の会長も、「県の定めたことは間違いがない。認めて良いのではないか」 かの発言。
私は、「今後の桶川のまちづくりに重要な問題。住宅市街地をまもっていくためにも削除すべきでない。」と主張しました。
そうこうするうちに、糸井委員(市議)
「今回の議題は、たくさんあり、直接関係ないことに拘らず、工業団地がメインなので、どんどん進めてはいかがか」なる趣旨の発言。
都市計画の文言というのは、非常に重要で、まちにトラブルが起きた時などは、論争の元となるものです。なぜか、住民が置き去りにされているまち・・・。
もう一つは、「地球環境への対応」という部分を削除したことです。この温暖化やゲリラ豪雨など。私たちが心していかなければならないことを削る感覚が分かりません。
付帯意見として、残してほしい、と発言しましたが、誰一人賛成する者はいなかったのです。
これも桶川の現実。 😥  😎
埼玉県は遅れているし、桶川市も県と協議をして決めたことでしょうから、もっと遅れている。
また市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針で
「都市計画決定後、長期間にわたり整備されていない地区については、防災に配慮した安心・安全なまちづくりに係る検証を行い、必要に応じて都市計画の見直しを行う。」も削除してしまいました。
これに異議を唱えた山口委員(商工会)、「取るべきではないのでは。」
私も同感。
市は、「圏央道も上尾道路も整備され、課題がないから」と説明。
私は、第二産業道市計画決定していても見通しがない、という問題と、伊奈町との境地域の開発の問題がある。だから、見直しも含めて、残しておくべき」と発言。
それに対し、会長「都市計画と都市計画決定は別。かえってこの文書を取った方が、計画を実行させることが出来る。」なんて訳の分からない発言。
これは、確か国の方針でもあったはず。
都市計画運用指針(第8版、28年9月改訂)では
4.適時適切な都市計画の見直し   の中で、
例えば、長期にわたり事業に着手されていない都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画については、見直しのガイドラインを定めるとともに、これに基づき、都市の将来像を踏まえ、都市全体あるいは影響する都市圏全体としての施設の配置や規模等の検討を行うことにより、その必要性の検証を行うことが望ましく、都市計画決定当時の計画決定の必要性を判断した状況が大きく変化した場合等においては、変更の理由を明確にした上で見直しを行うことが望ましい。
とあります。http://www.mlit.go.jp/common/001143754.pdf
会長の進め方も、意見に対し、自分の解釈で仕切ってしまう。一方で「重要な質問です」と言ったりする。それじゃあ、他の質問は重要ではないのか!?
そういう発言が、質問を出しにくくしてしまうという事が分かっていないのでしょうか、それとも質問を少なくしたいのか・・・。
仮に、発言が当を得ていなくとも、素朴な疑問や問題に真実があるのです。
質問ができない雰囲気に💢
「県の決めたことを認めるという前提で、この会議に私は望んでいないので」
という発言をしておきました。
いずれ議事録が出てきます。その際には正しい発言を含め、詳しい報告をしたいと思います。
副会長としての反省

  1. 十分な時間を取って議論するよう求めるべきだった
  2. 現地視察を要求すべきだった
  3. 納得いかない説明は、もっとはっきりさせるべきだった
  4. 進行方法が事前に説明されず、区切りもわからず、それが故に問題点をすべてクリアにできなかった。(市と会長で決めておいた進行方法を確認すべきだった)

これを書いているうちにわかったこと。
生活拠点を削除したことは、坂田地区の市有地への民間施設募集で、地域生活拠点を済ませようとしている事。「医療福祉の充実」はやらないのだな、という事。
第二産業道路の計画で地域を振り回してきた事も全く視野にない、という事だな、という事。
上から目線の都市計画では市民は幸せにはなれません。
 

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