真実に目を背けた桶川…最高裁判決を無視


昨日の議会最終日

午後1時から8時まで、延々とつつきましたが、その間答弁に窮して1時間半も休憩してしまいました。市が提案しているのに、誰も責任ある答弁をすることができません。

私の報告を読んだみなさんは、ため息をついて、桶川はどうしようもないな、と思われると思います。

最高裁判決で全市長らの責任を全面的に断罪し、709万円を市に返還せよとの最高裁判決を、おちょくった議案、709万円そっくりそのまま損害賠償として支払うことを議会が承認してしまったのです。

退席・新島、渡辺の2人。

賛成・加藤、糸井、相馬、臼田、市川、中又、保坂、岩崎、佐藤、町田、江森、関根、島村の13人。

反対。高野,永野の2人の各議員です。

なるべく政治には目を向けない、そんな歴史が延々と続いてきた桶川のまち。投票率の低さ、関心のなさ、諦め。私にも責任があると思いますが、政治は一人では変えられません。

しかし今日、目から鱗が落ちました。このまちを覆っているエイリアンのような物、法律よりも、市民よりも優先する正体が見えたのです。

 

話をちょっと変えます。

弘法大師空海の教えに十住心論というのがあります。

人の心を10の発展段階に分けたものです。簡単に要約すると

第一住心異生羝羊心(いしょうていようしん)何も考えず本能のままに生きている。

第二住心愚童持斎心(ぐどうじさいしん)道徳の教えにより人間としてやや善なる心

第二住心愚童持斎心(ぐどうじさいしん)世界の理不尽さ、無常さを実感し始め、 宗教、哲学心が芽生えだし、自己との対峙、葛藤が始まる段階。

第三住心嬰童無畏心(ようどうむいしん)自我には、実体がないことを知る。自分の 感じ知ることは五つの存在要素(五蘊)がかりに和合したものにすぎないと知る。

第四住心唯蘊無我心(ゆいうんむがしん)人間を構成する五つの要素。(色・受・ 想・行・識)の生滅の真理を知り、生死を厭わしく思う

第五住心抜業因種心(ばつごういんしゅしん)他人の悟り(利益)にも重点を置きだ す。菩薩の境地

第六住心他縁大乗心(たえんだいじょうしん)他者を救済するために慈悲の行いを実 践する大乗の「菩薩」の段階(法相宗)。

第七住心覚心不生心すべての相対的判断を否定し、心の原点に立ち返って空寂の自由 の境地。〔中道〕に入ることを目指す。法相宗の心

第八住心一通無為心(いちどうむいしん)自分の心そのままが、真実世界の心と同じ 慈悲を根本として、他の者を救う手段(方便)を満足する。

第九住心極無自性心(ごくむじしょうしん)

第十住心秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん)

 

最後の方は、もう私たちが到達できないものですが、あえて書きません.このすべてを理解しているわけではありませんが、議員というものが果たしてどの段階にあるべきなのか、今回はしみじみ考えてしまいました。

そして、それぞれの顔つきに、ひと皮かぶさった気がして、昨晩は不思議な気になりました。

 

というのも、この損害賠償の支払い議案に対し、質問しなかった議員は、たった3人、

中又、岩崎、相馬の3名の議員のみで、15人の議員が質問に立ちました。(昨日、新島議員もと書きましたが、私が傍聴に行く前に質問していたようです。間違えてすみません。)

その質問の中身たるや、最後の採決の時にわかったことは、皆、自分の立ち位置を守るため、市民の批判を交わすためのパフォーマンスに過ぎないと感じました。

それは、大変残念なことです。

目からウロコとは

それは、最後までじっと我慢して質問にたった佐藤議員の話からです。

佐藤 今日はクリスマス.少し和やかに行きましょう。

午後1時からいろんな話を聞きました。基本は政治の戦い。政争なんですよ。地裁では市の主張が認められた。平成19年6月4日の渡辺議員が質問をした。当時9対9の同数。議長採決で可決した。当時から9対9の戦い。渡辺さんは岩崎市長を擁立した恩人の方。それがいつからか袂をわかった。それに庁舎問題も重なった。

庁舎問題は平成7年から始まり、未だに解決されていない。3.11でこの議場がよく持ったと思う。ちょうど臼田議員が質問の時。もし崩壊したら誰が責任をとったのか。

 

あの当時借地じゃなければダメだという議論があった。もし、遺産相続が出たら第一に市に売ることになっていた。禍根を残すなという決議だが、今禍根を残している。借地じゃためだという議論はどこにあったのか。(議会が、借地でなく土地を買収するまで、設計業務を中止する。という決議を出したことがきっかけで、それから5ヶ月後に契約解除となったことをさします。)

 

総務部長 借地の場合、他の方に売らないという気持ちが地権者にはあった。借     地でも20年30年過ぎても100%買収が不可能ではなかったと思う。

佐藤 あの当時の地下の公示価格で相手が了解してくれないと無理で、借地でそ   のままやるということに実現性があった。ある意味で議会がやることは、  プレハブで早急に庁舎を建てること。それを3億で高いという。4年使うのに2    年と言っている。

   3億円、高いねー。家計から見ればね。

  私は早急に調子に取り組むことが大事と思うが、これらのことも踏まえてこ  れからの庁舎建設について小野市長に決意をいただきたい。

 

小野 この老朽化している崩壊するかわからない庁舎を早急に建て替えなければ  ならない。速やかに解体し、安全な利用しやすい市役所に立て替えたいと   思っている。

 

私は、この議論を聞いて本当に驚いたのです。天と地がひっくり変えるようでした。あの団塊の世代が公務員を勤め、組合運動をやった人が、このような感覚で議員をやっていたとは。

そして、巧妙に恫喝しながら、議員に賛成を促していく。さらには、人の心を誘導し、殺伐とした気持ちにさせ、反対させないのは、超一流の天才だと思いました。

税金の無駄遣い、違法な仕事について、それを正すのも目をつむるのも,まずは政争なんだと、堂々と言ってのける心とは??

そこには、三権分立も地方自治法もない。数さえとってしまえば、それで税金を使い、市政が成り立つと考えている恐ろしさ。

私は、心底身震いがしました。

そして思い出しました。前岩崎市長を故渡辺議員が擁立した時です。私は「半年経たないで裏切られますよ。」と言い、その直後の議会では、渡辺議長と大喧嘩をしました。

岩崎氏に批判的な質問をした時です。岩崎氏は、「失礼だ。」と言って、撤回を求めたのです。

私は、自分の信念と調査に基づき質問しています。だから、撤回を拒否、「やるならなんでもやれ、こちらは戦うから」と突っぱね、それ以来、口を聞きませんでした。

それが忘れもしません白い紫陽花(インカの目覚め)の鉢を持って私の自宅に来たのは。

その後、また交流が始まり、「半年とオメエに言われたけれど、もっと短かったよ。」

それからの彼の人生は、自分が擁立した責任を悔い、その責任感に全人生を捧げたのです。彼はとても純粋な人です。晩年は桶川市のために身を捧げたのです。

86本の廃道議案、ごみ焼却施設の改修工事発注の疑惑、上南調整池の談合疑惑、二重払いの調査、そしてこの㈱松田平田をめぐる選定、契約、解除、土地の裏話の問題。

そのために、命を失ったといっても過言ではありません。

議会では、この問題に取り組み、真剣そのものでした。その気迫は、誰もが認めることであり、今回永野議員が一部を取り上げましたが、佐藤議員も当時秘書室長だった時に、暴力団をめぐる損害賠償で、真っ青になって渡辺議員に助けを乞うたことがあったはずです。

それを政争と言うとは・・・・・・・・・・・・・・・。

まあ、この答弁をした総務部長も市長もコメントは控えます。それに値しないからです。

なぜ、私が佐藤氏の言動を取り上げるかといえば、同世代の感覚でしょうか。私が選挙に出る時から様々な嫌がらせをしてきましたが、彼の特殊な事情からだと気にとめませんでした。

それが、この言葉を聞き、彼のしてきたことが、すべて政争だったのかと思ったときに、ああ、この世にはいろんな人間がいるけれど、・・・・そこで思い出したのが十全心でした。

それは私自身の感想です。では客観的に彼の言葉を精査しましょう。(この議会、精査が乱発されたので、使って見たくなりました。)

.11の地震で何かあったら、誰が責任を取るのか、という話でしたが、それ以前に、保育所や加納公民館が先だったはずです。むしろ市長選挙の前に、耐震診断で、手抜き工事が発覚し、著しい危険であったことがを隠して、市長選挙後に施設を閉鎖をしたのはなぜ?

・・・・これも政争だったのですね。市民や子どもの命よりも政争が大事だっのですね。

借地の件は、他の自治体でも借地で建てた例はあると言いましたが、どこでしょう。

どんな事情でしょう。

その土地がなければ、建築基準法の特例を利用しても借地の容積率を借りる、という手法をとっているのでしょうか。

渡辺議員がよく言っていました。相続が発生して、鑑定価格より高く買う話があったらどうなる?  市の売る約束をしたって、本人に悪意がなくても、そういうことが起きることがある。今まで、土地を買うと言って来たのに、隠していたのはなぜだ。

渡辺氏は、個性の強い人でしたが、政争に議会を使うほどタフではありません。それ程汚れてはいません。

純粋に、「おかしいよな、おかしいよな~」と、言い続け、職員にも信頼が厚く、いろいろな情報が入っていたようです。だから、市長と袂を分かち、庁舎問題が重なったから、政争をやった、などどいう表現は成り立たないのです。

仮設庁舎の3億円についても、市民から大分批判があるのでしょう。このような言い方で、私への面当てとは・・・。

私は政争など全く関係ありません。間違ったことを間違ったと堂々と述べ、行動するだけです。市長選挙も岩崎氏の後継者ということではなく、これからの深刻な財政事情の桶川市を引っ張っていくには、それなりの知識と法律と能力が必要だと判断したからです。

少なくとも、20数年の議会と国会の仕事をしてきた経験、そして遵法精神と人権感覚は市民のために奉仕できると考えたからです。若い人では人生の苦労が不足すると確信しているからです。さらに市役所を改革するには、強い決断力と政治哲学が必要と思うからです。

だから、選挙で様々な誹謗中書を受けても、逆襲はしなかったのです。いくらでもネタはありましたが・・・・。

仮設庁舎を立てるのであれば、複数の案を出し、そこでメリットデメリットを詳細に検討し、それがベストでなければなりません。

しかし、今回、何も検討せず、突然仮設の話が出てきたのですから、しかも当時も議論になりましたが、隣の土地に建てて、引っ越せば一番お金がかからないはずだったのです。それを否定するにはそれなりの根拠がなければなりません。

今回のこともそうですが、お金を出すからには、地方自治法がまず縛りをかけるのです。

地方自治法第二条  地方公共団体は、法人とする。

 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

14  地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。

この当たり前のことを証明するために、ヤラセと言われつつも、数々の審議会や委員会で、お金の使い道を議論し、選択していくのです。

それが今回されていないのですから、何を言っても理屈にはなりません。

与論や周りの雰囲気で、なんでもいいから早く作れ、危ないから、さっさとやれ、とはならないのです。

早くやろうとしても慎重にやっても、そのスピードは結果的に変わらなくなります。

もし、あの時、岩崎市長が、業者選定を隠さず、変な採点方式を採用せず、土地の問題も議会と話し合っていたら、こんなに遅れることはなかったでしょう。政治家としての責任は、市長にあったのです。

当時の取り巻きだった佐藤氏が、市長のやり方をまずいとアドバイスできなかったのは、それも精巣であり、客観的に判断する目が曇っていたのだと今になって分かりました。

でも、当時かに職員の中には相当の批判や不満があったのです.担当部長も、見通しが暗いと言っていたにもかかわらず、設計協議は延々と続いて、無駄遣いをしていたことになります。

政争はよく言ったものです。判決にある

岩崎は,本件精算金の支払が市議会の議決を経ない損害の賠償に当たる可能性が高いことを十分認識していたものというべきであり,本件支出負担行為が地方自治法96条1項13号に反する違法なものとして桶川市に上記損害を与える結果になることを容易に予見できたものと認められるから,岩崎には過失があり,桶川市に対し,上記損害を賠償すべき不法行為責任を負うものと認められる。

したがって,控訴人らは,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,被控訴人に対し,岩崎に対して上記金額の損害賠償の請求をすることを求めることができる。

と、判っていて、あえて支払ったのは、政争だったからなのですね。

議会で、岩崎氏の責任問題が必ず浮上し、709万円は認められなかったと悟ったからなのですね。

それでも、200万で済んだものが709万円までふくらませて払わなければならない問題があったということなのですね。

今回、佐藤議員は、損害賠償の問題に触れずに、庁舎問題とすり替えました。

それは、賛成に躊躇している議員を鼓舞し、この裁判が庁舎問題をこじらせたかのような反発意識を作り上げ、巧妙にアジテーションをやったのです。

そのレトリックに気づいた議員は何人いたでしょうか。

真実に目を背けることを正当化した議員は何人だったのでしょうか。

それに惑わされた議員は、顔に一枚何かが加わったのです。

政争ではないのです

なにが真実で、何が問題だっのたか。

今回の議会、この国のよって立つ憲法と三権分立をないがしろにするか否かの瀬戸際でした。

だって、その上で地方自治法によって議員は成り立ち、議員報酬を受け取っているのですから。

赤信号、みんなで渡れば怖くない?

年末の忙しい時、明日で仕事収め。職員のみなさんも私の報告を待っているでしょうから、すこし書きましたが、この議会で、執行部も市長も真実を語ろうとはしませんでした。

損害賠償額がそっくり判決で否定された出来高清算額と同じ額を支払うのでは、判決を読む力がないのか、それこそ嘘をついているのか。

職員の質も市の質も低いことこの上なく、わかっていた事とは言え、残念なことです。

いいがけんな答弁に真実が隠されている

しかし、答弁には、明らかに高裁判決を無視した提案がされています。監査請求から訴訟になれば、勝てると確信しています。

今回、少なくとも、当時の岩崎氏の独断先行と、問題点がクローズアップされ、12年間の問題が浮上したことは、結果として真実を市民に知らせる第一歩となるでしょう。

そして、真実を見極めなくても構わない。岩崎氏の責任を免除し、709万円を精査しないで支払うことを賛成した議員がたくさんいたということ、

それがすなわち桶川の民度であるということを改めて市民に突き返されたことは、成果だと思います。

これから、各議員の質問と答弁を徐々にアップしていきます。

糸井議員は、キャンペーンをはる、という表現をしたけれど、それは間違いです.真実を伝えること、それが一番大切なことなのです。

 

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