庁舎709万円のいきさつ

前回の工事検査室長の証言記録を説明して欲しい、と言われましたので、ざっと解説します。
本来、市が契約解除で支払う損害金は、議会の議決が必要です。それは地方自治法で決められているのです。
第九十六条  普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。 十三  法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。
しかし、市長はこの議決を免れようと、「出来高払い」という手法をこじつけたのです。そのためには、市の規則にある工事検査室の検査を受けなければなりません。出来高というのは、工事契約のうちの何割が出来上がったかを検査して、その割合(進捗率)で、工事金額を支払う制度です。
しかし、今回の設計委託契約では、仕様書にある仕事は,まったく完成していません。その仕様書は以下の通りです。
庁舎設計仕様書
つまり、庁舎設計に38の書類または図面、仮庁舎設計に16の設計図か書類が2700万円の契約の中身だったのです。
工事検査室は、そのひとつも完成していないので、出来高はゼロなはずです。従って、支払うべきものは、打合わせに使った人件費と資料作成代です。だから検査できないので、損害賠償になるのですが、それを出来高として、工事検査を依頼したのです。
その書類が以下です。
面倒なので、一枚にしましたが、拡大してみてください。4枚目の赤枠のものが、検査をした結果709万円になりました、という書類です。検査調書には、仕様書にないものが書かれていて、契約の内容ではないのです。
でも、その根拠は示されていません。仕様書の何割が出来たのか、調べていないからです。
それなら、その内容を確かめたのですか、それはどのように確認したのですか、と聞いたら、最後の方で、担当を信頼するしかないですから、と居直ったものです。
改めて証言を読んでみてください。市の工事検査体制がいかにいい加減であったかを物語るものです。
 
 

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