本心が出た副市長答弁

一般質問での大演説
14日、高野、永野両議員の一般質問を傍聴しました。前回、加納の農住調和地区のことを書くつもりでしたが、ここはぜひともお知らせしたい、驚いた話があるので、今日はこの話から。
総合振興計画、桶川市民にとって、とても大事な問題でありながら、この問題を取り上げたのは永野議員ただ一人。中身を読んでいないのでしょうか。
永野議員、下日出谷の商業施設に関し、「商工会の意見交換会でも、駅周辺の中心市街地活性化計画を策定中でありながら、拠点街区に(日用品と買回り品)を販売する大規模商業施設は矛盾すると、意見が出た。地域も騒音、防犯、光害、住宅地への交通量の増大など、住環境が悪化する。地域の住民にも説明がされていない。」などを再質問。3回目の質問で、「広域交通網を活用した企業誘致など、すでに過去に崩壊しているではないか。もっと桶川らしい独自のまちづくりを考えるべき」との趣旨の質問をしました。これに対し、市長に代わってスクっと立ち上がった興津副市長。
「それでは私が総括的にお答えしましょう。」
以下、私のとったメモから抜粋します。
「今回、総合振興計画で新しい提案をしている。現在の社会状況は働く場所もない、市民生活では、賃金が年々下がって来る。いろいろな市民から公共サービスが求められている中で、税の確保、雇用の場を確保するのも市の責務と考えています。今回の議会で、先ほどの高野議員からも、商工関係の質問が出ましたが、私は桶川に引っ越してきて3年経ちますが、生活する人にとって、桶川は整備されていない。買い物する場所もない。その点をしっかり考えていただきたい!
 エーーー、なにっ、それ、----話は滔々と続きます。
次にもっと驚く発言。
商工業者の立場から、(大型店の)出店を規制する声もある。しかし、生活者の視点は考えているのでしょうか。平成16年彩の国広域消費者動向では、商品の購買率が上尾では75%、北本が62%に対し、桶川は53%です。食料品では上尾84%、北本93%、桶川76%、洋品では上尾68%、北本50%、桶川40%、家族で買い物をする割合は、上尾45%、北本23%、桶川16%、要するに商品の残りの50%は外に出て行っている。さらに小売店の従業員では桶川は減っている。小売販売額が減っているのは桶川市のみです。人口では北本市が減っているのに、桶川市は1000人も増加している。だが、小売面積、年間販売額も桶川は北本に逆転されている。その分、固定資産税、従業員確保も出来ない、賃金も払えない・・・・」
そんなにひどいまちなのか、桶川は ! 
滔々と、数字を入れて、どんなもんだ、といわんばかりに桶川をけなすこと、けなすこと、・・・・傍聴した人が、「桶川に来たばかりで、勝手なこと言うな。」と言っていました。役人というのは良く勇気があるものです。そこまでけなすとはねえ・・・。しかも、差別的、「買い物する場所も無い」とは、高級ブランド品でも買うというのか? ・・・桶川のものは買えないというのか?
この発言を聞くと、そこはかとなく、桶川市民を下に見ている気がしてなりませんでした。
そういえば、16年といえば、下日出谷の区画整理事業の見直しを始め、翌年には副市長が県の副部長だった時代。県の担当者が難色を記していた商業施設計画に対し、無理やり横槍を入れたんだったな、と思い出しました。地権者のことなど考えていなかったんだな、と改めて認識。
この数字、その後企業誘致の担当部長になったのだから、そのくらいは簡単に引き出せますよね。
まだまだ続く大演説
おいおい、市長立候補の決意表明でもあるまいし、なに勘違いしているんだろう、・・・でも演説は続く・・・。
お前たちにも教えてやるんだと、それに、・・・・市長がしゃべれないから、俺が言ってやるんだと、言わんばかりに。(市長も止めずにしゃべらせているのだから、すでに立場は逆転しているのかと思うほどです。)
 「消費者の視点、商工者の視点、今後は考えなければいけない」—話はまだ続きます。
「鶴ヶ島、川島ではいろんな開発が行われ、小売店、従業員がかなり増えている。年間販売量はかなりの上昇だ。今後の桶川市を考えた場合、税の確保をどうしていくのか、圏央道」
そこで突然、「ギーチョウ——!議事進行!!」—–びっくりして呆然と壇上に立つ副市長。
高野議員「今になって、私の質問に答えるのは、おかしいでしょう。私の名前を削除してくださいよ。副市長とは後で、場外でやりますから。」
 議長「暫時休憩します」・・・議長、副市長とのやり取り。
 開会して、副市長「大変失礼いたしました。不適切な部分を削除させていただきたいと思います。」・・・その後は、なにを言ったか忘れてしまうほど「以上でございます。」と尻つぼみのまま自席に戻ったのです。
 聞くに耐えない、自説が正しいと言わんばかりの力説に、傍聴席は呆れたり失笑したり、「今頃遅いんだよ!」と怒りをつぶやくものもいたり、とにかく弁舌に驚いたこと。
ひょっとして、こんな演説を庁内でもやっていて、それに反論する職員もいない中で、総合振興計画が出来上がってきたのでしょうか?コンサルも時代遅れなどのアドバイスもせずに?「そうだ、そうだ」なんてゴマ摺ったりした職員もいたりして・・・。
 とにかく、今いる商工者よりもこれから来る企業を大切にする、その理由は消費者のニーズにこたえるため。
大きなお世話だ。第一、行政がそんなことを考えたら、利益誘導、不平等、何でもありだ。今の市民よりも、将来今の市民を圧迫するかも知れない、架空の市民が大事とは。では、市民は何で税金を払っているんだ、と言うことになります。消費者のニーズにこたえるのは、企業や商工業者の問題です。市の責務ではないし、市民サービスや情報公開に応えることが市の本来の仕事です。
こんな話を、確か20年前にもしたことがあったなあ。地域の意見も考えも聞かないで、上から押し付けた計画。しかも、その理由が副市長の発言のように「桶川にはちっとも良いところが無い」と、市役所の職員までもが言っていたなあ・・・。
桶川は、勤労者が多い街で、大きな工場も少ない。地形的には、17号に接した部分が少ない細長い地形だから、当然沿道大型店は、市境か市外になってしまう。しかし、その反面、荒川や元荒川などに接した変化のある地形になっているので、農地や自然が残されて、肥沃な土地も多い。産業構造の転換を迫られている現状で、桶川が、どくな市場をターゲットにするのか、地域内の経済循環をどう工夫していくのか、綿密な議論が今こそ必要なはすなのに、「鹿(しか)を逐(お)う者は山を見ず」→目先の利益を追い求めて、結果的にはマイナスになってしまうのでは。
今の桶川は、企業城下町で無かったおかげで、不況のあおりを大きく受けず、財政の揺れが少なくなっているし、箱物による維持管理費が比較的少ない。
事業仕分けで、「二番では駄目なんですか」といった蓮舫議員の言葉の意味を、理解しているのだろうか。比べてみたところで、誰も幸せにはならないのです。企業誘致は一種のバブル。固定資産税や事業所税を手に入れるために、インフラ整備をし、出るものも大きい。
その一方で、つぶれる店が出たら、市民の総生産は変わりません。もし、増えたとしても、それは小泉時代の規制緩和による事業者の再編が起き、格差が広がったに過ぎません。グローバル化による空洞化現象が、桶川の中でも起き、より深刻化するだけです。それは結果的に長期にわたる社会保障費の増大につながり、今の日本の状況に拍車をかけるだけなのです。
次世代にツケを残さずに
企業誘致がすべて悪いとは言わないし、商店が外に逃げる購買層を引き止める努力は必要だけれど、もはやシャッター通りは、日本全体で取り組む政策。だからこそ、大規模店舗立地法で規制をしているのに、法の趣旨までも認めない副市長とは一体どんな仕事をしているのでしょうか。
市民生活に影響の大きい誘致は、絶対に認めるべきではなく、それを誘致しようと言うのだから、論外です。
財政破綻を引き起こしているのは、乱脈運営の区画整理への多額の補助や、官製談合による高止まりの工事発注の方が問題です。
15日の一般競争入札
『公共下水道管渠工事』では、たった4社しか応募せず、しかもいつも指名されている市内業者ばかり(山中土建㈱、島村建設㈱、浅見工業㈱、青木清掃㈱)。予定価格4158万円に対し、落札者は山中土建㈱3730万円、90%の落札率なのです。仕事が少なくなっている土木事業、本来なら、たくさんの会社が応募して競い合うはずなのに、指名より少ない業者しかいないと言うのは何故?  
桶川は、深刻さに一層の拍車をかけている気がします。雇用対策などしたことが無い桶川市が、「雇用の確保は市の責務」とまで言うのだから、よほどの裏約束がある ?
下日出谷の3.5ヘクタールの商業施設の商圏を聞いたら、「広域交通網を生かして来る客」を期待しているとの答弁。しかし、大規模商業施設をオープンさせるには、今ある県道もその用地に含まれるので、新しい県道を作るために、区画整理組合で、裁判中の家を直接施行(強制執行)し、その手続きと、工事を終えるころは、圏央道が加納インターまで開通するころ。わざわざ川田谷で降りて、県道を使ってお客を呼び寄せる、商業施設とは、一体どんな職種なのでしょう?
そして、一方でその施設が繁盛すればするほど、住環境が悪化する矛盾を抱えることになるのです。何故なら、区画整理事業は、桶川の場合、良好な住宅地のためにつくられた計画だからです。商業施設との間の道は6メートル程度、そして見直しで、細い道路が増えたので、路地を行きかう車が確実に増えていきます。子どもたちも身近な商業施設でゲームをやったり、誘惑は増えていくことでしょう。
桶川はそんな町では無かったはずです。子育てに向かないまちに変えていくのでしょうか。

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