区画整理で桶川は破綻する!

報告が遅れましたが、上日出谷南区画整理組合の地権者10名が、埼玉県を相手に訴訟に踏み切りました。5月12日、ちょうど一ヶ月前です。この問題、以前から相談を受けて、約1年以上経ちます。
上日出谷南区画整理組合の裁判
昨年の5月22日に行われた組合の臨時総会で、50億円の財源不足を補うために、組合員からお金〈賦課金〉を徴収する議決を取ったのです。その賦課金を入れた事業計画の変更を県に申請し、埼玉県は、これを11月13日に認可・告示を行いました。この「事業計画の認可取り消し」と、「賦課金を導入した定款変更の認可取り消し」を求める裁判です。
新聞記事
あまり早くお知らせをして、組合関係者に情報を出すのも、サービスになるので、少し時を待ちました。それと、この書類や資料集め、記者会見など、仕事が多かったこともあったのですが。
泣きっ面に蜂-よりひどい
この裁判、市の担当者も市長もあまり気にしていないようです。県が訴えられたのだから、自分たちは関係ないと・・・。
皆さん、考えて見てください。平和に暮らしていた地域で、ある日突然、区画整理をするという。大地主なら、開発に経費がかかるので、損はありません。しかし、自宅のみの地権者や売る土地のない地権者は、「減歩」という形で土地を3割も取られるのです。エリアに入った住民はみな強制的に取られるのが土地区画整理事業です。土地を削ると不適格建築物になってしまうような小宅地の地権者には、減歩しない代わりに、土地の価値が上がった分を清算金として取られます。
いざ事業が始まって見れば、大きな道路に面した土地を大地主の理事たちが換地し、開発し、土地を売ったり、マーケットを作って賃貸ししたり、事業の恩恵を受けています。その一方、水溜りが解消できない地域や、通学路の整備もできていない地域が20年以上も続いているのです。
そして、今になって組合が借金だらけで返す目途がない。金融機関からは、早く返せとせかされている。「だから、事業ができないので、不足額を地権者に負担して頂戴」、「賦課金を強制的に徴収する仕組みになっています」と宣告されたわけです。
「泣きっ面に蜂」に加えて、「因幡の白兎」です。その金額は、(土地面積-300㎡)×6,800円・・・「お金で払えなければ、土地を出しなさい」です。これでは、農業をやっている人にとっては死活問題です。多い人では、7~8千万円にも上るようです。
賦課金免除は、形を変えた「賄賂」
なぜ、300㎡を差し引くのかといえば、組合は再建計画を作る際に、コンサルに依頼して、アンケートをとりました。小宅地の人達は圧倒的に反対。しかも、1300人の地権者のうち、小宅地の地権者は1100人以上。
定款変更と新たな負担を課す事業計画の変更は、法律により、総会の特別決議=3分の2以上の賛成が必要です。これではとても通過しない。そこで考えたのが、300㎡以下の地権者には賦課金を免除する、という基準を設けたのです。
つまり、85%の割合の小宅地の地権者を特別待遇したのです。これは、一種の賄賂です。あらかじめ、小宅地の人に課すべき賦課金を渡しておき、「徴収の時にそのお金を払ってね」とお願いするのと同じです。「先に渡すから賛成してよね」って。
じゃあそのお金はどこから出るの??・・・・これが驚いたことに、市の予算と理事の9000万円の協力金で賄うのだそうです。9000万円は、今まで理事が受け取った報酬です。(飲み食いした分は入っていません。)
臭いものにふたをする。蓋は市民の税金で
問題なのは、何で事業が破綻したのか、誰も解明していないことです。理事を中心に作られた再建理事会では、「原因をはっきりすべきだ」と発言した総代の意見はかき消され、いかに収入を確保するかにすり替えられています。
それも当然です。責任ある理事たちが、自分たちに責任がある、と殊勝にまじめに反省するようだったら、こんな破綻にはなっていないのです。
ボキャ貧ですか?
先週の金曜日、議会の一般質問がありましたが、永野議員の質問に対し、またまたまたまた・・・・
市長「地価が下がるなんで誰も予想しなかった、回復するだろうと思っていた、これは桶川だけでなく全国の問題で・・・」
いつまで同じことを、ロボットのように言っているのかな?過去5年間の議会答弁を紙で重ねたら、-そっくり重なるんじゃないかと思うくらい・・・ひとつ覚え・・・想像力がないのか、いい加減なのか・・・私は10回以上も同じ話を聞いている。これがわが桶川の市長である。
いまや、会計帳簿を閲覧し、さまざまな調査をしているのに、ひょっとしたら、この人は、本当に理解することができないのだろうか?・・・いやいや、選挙の度に、「補助金はいくらでも持ってくるから」と、集票依頼し、下東などは演説もしたと聞いています。
しかも彼が市長になった時の後援会長は、当時の上南組合の理事長。現理事長だって、当時議員で何度も一般質問をし、共産党の安藤議員から「利益誘導質問だ」と、何度も注意を受け、議長からも議運でも注意をされているので、知らないはずはないのだけれど・・・。
破綻はすでに10年前からわかっていたのに、手をつけなかった市長。
さらに、94年から96年までの2年間、都市整備部長として県から出向していた興津副市長。その前は岩崎建設部長だから、市長もよくわかっていたはず。
興津副市長は、「当時、どのような指導をしていたのか?」と聞かれて「一生懸命努力をしていた」と、全くちんぷんかんぷんの答弁です。これが桶川のナンバー1とナンバー2。
・・・・反省のないところに未来は無い。桶川の未来は本当に深刻です・・・
結果には必ず原因がある。責任のない破綻はない。
こんなことで話をするのもとっても低次元で嫌なのだけれど・・・・全国すべての組合が破綻しているわけではないのです。
地価が下がったのが原因なら、全国の1300ある土地区画整理事業は全部破綻です。全国の組合事業の保留地処分金〈減歩で確保した土地の売却金〉の全収入に占める割合は57% です。一方、桶川の上南組合の保留地処分金は、その半分以下の22%に過ぎません。
金額にすると、34億が26億に、約8億の減です。50.5億の資金不足の16%にしか過ぎません。残り43億の原因は何だ、と誰もが知りたいと思うのは当然ではないでしょうか?
事業計画の収入構成
このグラフを見てもわかるように、単純な話ではありません。まして、当初は4.~5人、現在は3人も上南組合に職員が専従で働いているのです。それで破綻、しかも会計帳簿の調査では、常識では考えられないお金の処理をしています。
一例を挙げると、多額の保留地処分金を市場変動型金利方式で、毎月転がし手います。しかし、その資金台帳が無いのです。突然数千万円のお金が消える。不思議に思って伝票をひっくり返したら、定期預金を解約して、そのまま振り込んでいたことが発覚。
一度現金化して通帳に入れて、振り込んでいれば、その形跡がわかるのですが、領収証も無いのです。定期預金解約計算書にあったメモと、決算報告書で類推するしかなかったのです。
数えあげたらきりが無い・・・日付はいい加減、真実を表していない帳簿。現金出納帳も無く、どうやって現金を保管していたのかと思うほどです。まれに、補償金を現金で支払う場合もあるのですから、大金が動くはずです。かと思うと、コンサルの昭和㈱から一度支払った委託料が返金される。その後、又1ヵ月後に同額を支払っているのです。調べてもらったら、「手元に支払う現金が無かったので、戻してもらったのではないかと・・・・。」との職員の説明。支払った分を借りた形で戻してもらっているのです。しかし、そのときには、桁違いの定期預金が多数存在したのです。
何?それ?
理事たちは何を聞いても、「俺たちには全くわからネエー。」
訴状の内容

  1. 資金不足は50億と試算しているが、組合員にはその詳細は知らされていない。これまでの経営責任は明らかになっていない。
  2. 定款変更で、賦課金を創設議案が出されている。定款は重要な変更にもかかわらず、ほとんどの組合員が理解していない状態で、臨時総会のお知らせが届いている。
  3. 賦課金は、300平米以上の地権者から、200万円から7000万円までの支払いとなっていて、土地を提供する場合には、組合の要求する土地で支払う仕組みになっている。(㎡/6800円)
  4. 説明会はたった2回、事業計画の変更も理解できない状態で、委任状を無理やり集約している。
  5. 3分の2の賛成確保のために、小規模地権者には一切負担増とはならない仕組みとした。(1170人、89.4%)
  6. 総会運営の進め方が、意図的である。

等の問題点があり、土地区画整理法に基づく認可基準を満たしていない、違法な認可である、との内容です。
この組合には,市はすでに12億円の無利子貸付をしているのです。しかも、予算の不足分4億5千万円の資金は、市中金融機関から借金をしました。金利を組合に変わって支払っている形です。管理職を含めた職員4人分の人件費とあわせて毎年5千万円近い支援をしている形です。それに、賦課金免除に市のお金が入り、一方では、何の責任の無い組合員が破綻の責任を取らされる。
こんなまちってあるのでしょうか?  憲法も地方自治法も民法も、めちゃくちゃで・・・・コンサルの餌食のままに・・・。

  • 私が法律 私が決めればみな通る?
  • 村役場 ゴマすり・事なかれ、給料、年金、万々歳!おまけは天下りに再任用。〈村の皆さん、ごめんなさい〉
  • 市役所歩けば、即管理職。桶川市は3人に一人が管理職。管理職だけの職場もあるでよ!

昔、子育てをしながら大学に通っていたころ、神田神保町の本屋で見つけた絵本を思い出しました。(続く)

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