荒川河川整備計画有識者会議のおごり

荒川水系河川整備計画有識者会議
桶川市民の皆さんにはなじみのない話と思われますが、実は桶川には荒川が流れていて、この周辺がどのような地域になるかは大きな話なのです。また、今後大きな公共事業が行われていくときに、膨大なムダ遣いと環境破壊が起きるかは、都市周辺のまちづくりにとても重要なのです。
全国で、国交省は河川事業を展開しています。関東整備局だけでも利根川、荒川など8水系があります。まず、河川整備基本方針を国土交通大臣が社会資本整備審議会の意見を聴いて決め、管理者(関東整備局)が整備計画を定めることになっています。
その整備計画については、平成9年の河川法改正により、有識者の意見、住民の意見を聞かねばならぬことになっており、そのための会議が今年2月、3月、4月と行われ、半年休んで今週の11月25日に4回目が実施されたのです。
最悪のモニター傍聴
どこの河川整備計画有識者会議も一般に公開されているのですが、この荒川の会議に限っては、とてもひどい。まず

  1. 場所が東京、市ヶ谷で開かれる。ここは荒川とは全く関係ないところ。
  2. 開催のお知らせが、前日や2日前くらいにしか出さない。有識者にはとっくに知らせているのに。
  3. 会議の傍聴ができない。別室に通され、小さなモニターテレビで見せられる。会議はとってもだだっ広い部屋で、マスコミは入れているのに。
  4. 別室は、建物が古いせいか、喫煙場所の煙が流れてくる。今回の場合は喫煙場所から最も離れた部屋にしたとか。でも廊下は漂う。
  5. たくさんの資料を見ながらの会議にも関わらず、テーブルがない。椅子が20脚以上おいてあるが、傍聴者は数人と業者らしき数人のみ。

マスコミは同じ扱いをしたらうるさいのです。だから大事に扱います。しかし、関係住民や環境保護団体に対してはひどいものです。これでは、まず傍聴をしないのが普通。1500円も交通費を出して、空気の悪いところで、固定されたモニターテレビを見ているのでは、「まっぴらごめん」と言うのが当たり前です。
尤も、そのためにこういう形にしているのでしょうが。それにしては役人が多すぎる。税金ムダ遣いだな~~~。
この状況に対して、私たちは、2回目以降毎回、傍聴を要請していますが、この対応もまずひどい。
この手の会議は、国が選んだ委員、とりわけ会長によってその行方が決まるので、国交省はまず会長選びに慎重になります。そして当然、御用学者が選ばれることになるのです。
荒川整河川整備計画は、すでに5年も前からコンサルにその策定のための委託をしているので、結果も内容も決まっていて、要は河川法にのっとった制定にするために、アリバイ作りに過ぎないのです。
この国の河川行政は、八ッ場のように、いまだ数字合わせの公共事業が先行し、水系全体や国づくりを見ようとしていません。あの長良川の反省のもとに作られた河川法改正は、当時の官僚の熱意とは裏腹に、形骸化しているのです。
そんな官僚が仕切る会議です。せめて有識者と称する学者は、この国の実態を多少知っている人たちですから、少しは時代を良くすることぐらいしたって良いのではないか、と思うのですが、さにあらず。
今回の要望書をアップします。
会議傍聴要請
2会議傍聴要請
 
提出者は団体の許可を得ていないので出しませんが、9団体と私です。
 沈黙の委員
この要望書が会議の冒頭配られ、座長の山田氏が「前回も出ているけれど、何か意見はありますか」と聞くと、シーン。
読む時間もないので当たり前なのですが
座長「この件について事務局は」
事務局「以前、別の会議で大声出されたこともあり・・・・」
はぁ~~~。未だ変わらぬ官僚の姿勢。いつ?  ?誰が  ?どこで?
東大を出た官僚が貧しいお言葉。河川法を勉強したらいかがでしょうか?少なくともこのコメントを出した官僚は、大学で政治学をきちんと学んできていないらしい。
文書の中には、あの八ッ場の喧喧諤々の会議、利根川有識者会議でさえ、きちんと傍聴の形をとっ田と書き、その違いは何ですか、と聞いているのに。
都合の悪いことは無視。
さて、数分が過ぎ、委員の皆さんも文書を読み終えたであろう時
座長「ではこれまで通りという事で、よろしいでしょうかね。」
沈黙のまま、会議が始まりました。
この時でも、誰が頷き、誰が躊躇していたかは、その場なら直ぐわかるのですが、固定モニターではわからない。
結局、官僚も委員も自信がないのです。でもどちらもく国民の税金を使っている。 
座長「モニターでもわかるように、皆さん、発言の前にはご自分の名前を言ってからお願いします。」
そうはいっても、その通りにはならないのが会議の常。最初は自分で名乗っても、途中から名乗らない委員も出てくるのです。結局のところ、要望書には何ら回答もなく、それに、恥ずかしくないのが御用学者です。 
資料を委員にはすでに渡されて読み込んでいるはずなのですが、そうではない人もいて、その場ならよくわかるのです。誰かの発言に対して、どのような感触を持っているかもわかるのが会議なのです。これなら、傍聴なんて必要ないし、議事録を読めば済むことです。(その議事録の公開も、数か月後から半年後です)
私は、この国が、原発を容認し、薬害をもたらして来たことに、まだ国民全体が反省していないのだと感じでいます。
座長は事務局たる国と綿密な打ち合わせをして会議に臨んでいます。この国をリードする学者たちが、その座長の意のままに進行していく会議に甘んじている御用ぶりに、暗い未来を感じさせるを得ません。
欧米の審議会では、住民が参加し、委員と傍聴者もともに議論を戦わせ、時間をかけてよりよいものに作りあげていく仕組みを作っています。
私達の国は、民主主義では後進国です。国会も憲法にのっとった手続きをしても開かないのですから、異常な後進国です。
少子化と財政破綻に真剣に手を付けず、効果の無い景気対策に借金を未だ膨らませ続けている私たちの国。
次世代に責任を持たずに、自分の利益ばかり考えている政治家が増えると、官僚も腐敗し、学者も無責任になるのです。
 会議の進行
会議の中身も、実にひどいものでした。整備計画案について、きちんとした説明ができない官僚に対して、次回にわかりやすく説明を、と座長が解説までして締めくくるのです。
答えられないなら、会議は必要ありません。民間だったら、首になっているだろうな、その表情も見てみたいものです。
環境団体蔑視の思想 
私は、長年環境保護団体のアドバイザーをやってきて、地元や地域で頑張っている人たちの環境に対する知識、体験に基づく地球環境までも見据えた正確な認識には頭が下がのます。
もちろん国計画などには素人ですから、数字で煙に巻く世界には対抗できませんが、そのうさん臭さは肌で十分知っています。 
委員の中には、あの原子力規制委員会を批判する方もいます。でも同じなのですよね。傲慢さはいずれ我が身に降りかかってくるのです。自らを省みる力と勇気を持ってほしいと思います。
自らが正しい、知識が上だ、頭が良いと思っている人たちが多い官僚に学者。
もう少し、謙虚に学ぶ姿勢があれば、社会はどれほど進歩することか。 
災害対策は、自分たちの考えしかないというような河川整備計画。でもコンサルに作らせたものだから説明もできないのです。それがこの国の未来を危うくする原因の一つです。自分の人生をかけて責任をもって仕事をするという事を知らないのですね。
今、パブリックコメントが始まりました。骨子の意見募集に対するコメントが掲載されると同時にパブコメです。この忙しい12月にパブコメと公聴会です。
自分たちの都合でしか働かない役人に税金を払っている己自身に腹が立ちます。 
ホームページのアドレスです。ぜひ皆さんも意見を出してください。委員の名簿も載っています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000201.html
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/index00000028.html
 
 

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