参議院選挙が終わり、一度に私の人生に大きく影響を与えた方たちの引越しが2件ありました。
一つは、参議院選挙で敗退した岡崎トミ子さん。もう一人は、桶川の陶芸家、松本文さんの一家です。
岡崎トミ子さん
1990年から政治を変える、弱者を守る同志であり、私の師であった方です。地味な政治家でしたが、どんな小さな声にも耳を傾け、真摯に取り組むまじめな方でした。悔しいときほど笑顔を絶やさない、彼女からまず最初に学んだことです。
そして、障害のある子もない子もともに学ぶインクルーシブ教育の実現に、法改正まで頑張った生涯の友でもあります。これからも制度の改正に向けて、私も彼女も一市民として、頑張って行くことは変わりがありません。
残念なことは、対立候補だった人物が、彼女の誹謗中傷を全面に掲げて5000票差で勝利したことです。最近、物事の本質をとらえないで、誹謗中傷したことが、その話しの裏や意図を見抜かずに、そのまま一人歩きする風潮があることです。
それが今の社会を動かす力なっていることに、私たちは真剣に向き合わなければならないのかも知れません。
ヘイトスピーチ、人権侵害。そして国益という大儀にすりかえられた民族主義。
ちょっと本を読んだり、ネットで検索したことで、物事を知ったかぶりする、そんな人が増えている気がするのです。岡崎さんの場合、従軍慰安婦にされた方たちの支援に韓国の集会に顔を出した際、後ろに日の丸に×をつけた旗があったことで、そのアングルをとらえたサンケイ新聞の記事で右翼から攻撃を受けました。
しかし、その記事にクレームを出さなかった政府も悪いのです。彼らは、『国会の威信』をはずつけた写真を載せたのですから。本人が自らの意思に基づいた行為なら、彼らの言い分も『一理』はありますが・・・。
例えば、今まさに麻生副総理の「ナチスに学べ」発言。こんな恐ろしいことが、撤回したことで一切お構いなしならば、この写真などは、本人の意図と関係ないところで取られた写真に、何おかいわんや。
要は、民主党たたきのターゲットの一つになり、政権奪回の野望に燃える自民党に最初から負けていたことになります。
そういう意味では、私と似ているのかも知れません。権力欲に燃えている輩に対して、脇が甘いと。
勿論、今度の選挙で民主党が大敗したことは当然の帰結とも思っています。それについては、余り書く気がおきません。党自らが総括せずには、私たちに聞く耳を持たないでしょう。
ただし、今のアベノミクスがうまく行くとは思っていません。長い間政治を監視し続けてきた私たちにとって、今の景気はリーマンショック以後の反作用にしか映りません。1000兆を越えた借金の解消を世界的に迫られている状況下、輸出産業優先の経済対策と消費税値上げはセットになって出てきます。
ヨーロッパが一早く気づいたように、この国のあり方を変えて行くしかないと思っています。今経済は、原発再稼動に象徴されるように、自由主義競争に勝ち残るための経済でしかないような気がします。
これでは古い体質を変えることは出来ないのです。それが私たちに突きつけられた課題です。
自民党政権が失敗したときか、原発がもっと深刻な事態に陥ったときにしか、国民が気づかないのでは遅い気がします。
桶川は2人のアーティストを失いました
もう一つの引越し、それは人権侵害も良いところ。表沙汰になったら大変な事件です。この話しは次回に譲ります。
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