命を失う悲しみと、その方の人生に学んで

安らかに
ここ数日で、信頼している方が2人亡くなりました。一人は、市役所の幹部職員として誠実に仕事をされ、定年後商工会の事務局局長を3年前に退職されたに西井氏の妻の美知子さん。すい臓がんで69歳で亡くなりました。13日の木曜日に前上原市長とともにお通夜に参加させていただきました。お清めの席で、胸いっぱいの悲しみと言葉がごちゃごちゃになった西井氏のご挨拶、「妻は、一生懸命生きて来ました。」・・・この言葉は彼女を知る人でないとその意味がわからないと思いました。
常に純粋で、悩み、自問自答し、そして何事にも頑張った方なのです。政治と隣あわせの幹部職員として、又上原市長を支える誠実な職員としての悩みや怒りが多かった中で、どれほどお連れ合いの存在が彼を支えていたかがよくわかりました。「孫が20歳になるまで(今10歳ぐらいでしょうか)生きたかった、と車の中でつぶやいた言葉に、何も言えませんでした。」と語る夫の話に、胸が痛くなり、帰り際に故人に「ご苦労様」と声をかけずにはいられませんでした。
元気な秋山さんがいなくなった
そして、一昨日、下日出谷東区画整理事業を考える会で、頑張られた秋山さん。選挙中も癌で闘病されていることは知っていて、お近くを通るたびに、どうしているのか気にかけていました。いつかは病が重くなる日が来る、と思いつつ、生きていることで、安心をし、そしてある日、突然死を通知される驚きに、自分でも焦りますが、それとて、信じ切れないものです。
しかし、昨日午前、同じ考える会の方と一緒に、ご焼香をさせていただきに伺い、やはり現実にたたきつけられたのです。あわただしく葬儀を済ませたということで、皆彼の死を知る人は少なく、考える会のメンバーには衝撃が走ったのですが、遺影を見た途端、涙を止めるのに必死になっている自分自身と、ご家族と話をしている自分が一致せず、おまけに、ハンカチを車に置き忘れ、風呂敷で涙をぬぐうというドジさ加減。
話しの中で、選挙中ずっと私のことを心配し、マイクの声を聞きながら応援をして下さったこと、投票日の夜も息子さんのパソコン情報を聞きながら、当選を心から喜んでくださった事。誰にも衰弱した姿を見られたくなくて、会わなかったこと、病院では、医師と向かい合い、治療法をすべて理解しながら闘病生活を送ったこと、などを伺いました。悲しみとともに、信頼できる人たちがいる幸せを感じ、同時にその一人を失った寂しさにも遭遇してしまいました。
自宅に戻り、昼食をとった途端、どっと疲れが出て、2時間半ほどごろ寝をしてしまいました。一般質問を前に、こんなことではいけない、と思いつつ、命を失った悲しみは、体力を消耗させるのだということを改めて知りました。
下日出谷東区画整理事業の怪
ついでなので、下日出谷区画整理事業について、意見を出したばかりなので少しだけ書きます。この事業の見直し、10年間にわたる長い長い戦いでした。930軒の地権者のうち、600軒が移転するという非常識なバブル計画。県にも何度も話し合いに行き、前市長とは夜、市長相談という形で、何度も数十人と話し合いを重ねました。「仮換地に同意しないと、もっと悪いところにやるぞ」といった職員がいたり、情報公開をしないことに何度も抗議したり、国会では玉突き換地を取り上げてもらいました。
そして、バブル崩壊後の区画整理事業の破綻。岩崎市長は、6年前の選挙で、「補助金をどんどん持ってくる」と約束して、組合の応援を取り付けたのです。わたしたちが頑張ったお陰で無駄な事業を抑え、借金も少なくて済んだのですが、、当選した途端、当時の自分の後援会長(故人)が理事を務める(財)区画整理協会に見直しを委託、その結果が35,000㎡の拠点施設をつくり、商業地域に用途変更するという、法律までもないがしろにするような見直し計画です。
しかも、この事業遂行に関し、第4次総合振興計画の後期計画を書き換え、今回は、それでも商業地域に変換するには無理があるとして、再々変更をする予定です。皆さんは広報の9月、10月、11月号をごらんになったでしょうか?
都市計画マスタープランを変える?
なぜそこまでしつこくするかといえば、都市計画マスタープランを変えなければ、「住宅地の整備改善」が目的の区画整理事業、この事業地域を大規模な商業地域にすることには無理があるからです。それが唯一可能とすれば、市民合意の下に策定した都市計画マスタープランを変える今年かありません。勿論マスタープランを変えるには策定時に2年間かけて市民参加で協議会を作り、手順を踏んで策定したと同じ手順が必要となります。しかし、そのための最低条件には、やはり市民参画で6年前に作った総合振興計画を変更して、明確に位置づけをしなければならないのです。そのための手順を踏んでいるのですが、変更も策定と同じような手続きや市民参画が必要なのに。広報にお知らせして意見がなければよし、意見があっても適当にコメントして変更をしてしまおうというのが、今の桶川市の都市計画課と政策審議室がやろうとしていることです。
埼玉県も課題ありとの文書があり
これに関しては、埼玉県も当初は否定的でした。県道・滝の宮線の路線計画も変更し、35,000㎡の土地を作り出し、挙句の果てには法では予測していない商業地域への用途変更です。場合によっては国の補助金返還を命ぜられる危うい変更をするのですから、まともな職員なら当然です。
県の都市計画審議会では、課長が嘘の説明までして、道路変更を通しているのです。あきらかに利権が介在する計画だと私はにらんでいます。
この話しは、3月議会の質問に出すつもりなので、この辺にしておきますが、「下東区画整理を考える会」のみんなや地域の人たちが一緒に力をあわせて、見直しを迫った結果、審査請求を出した88人のほとんどの地域を除外し、地域縮小をしたのです。その結果は半分の勝利。ホットされた方は多いと聞いています。その意味では、。秋山さんのお宅も除外され、一段落だったかも知れません。
しかし。残された人達の減分が33%に達し、土地をとられる人たちが続出。この問題はまだまだ解決をしないのです。
それは、亡くなった秋山さんも含め、考える会の人たちが頑張った結果、見直しが必要になったのですが、これを逆に食い物にし、利権の道具にしている動きがあるとしか思えません。
昨日は、この再変更に対し、意見書を送りました。
以下に要約を添付します。


2007年12月14日桶川市政策審議室 御中 「桶川市第4次総合振興計画」後期基本計画の土地利用計画の見直し(案)についての意見
桶川市 寿2-2-4  北村文子  以下の意見を送ります。


1. 土地利用計画見直しの背景について

広報の説明にある、土地利用計画の見直しの背景には、県の圏央道沿線地域の土地利用に関わる田園都市産業ゾーン基本方針と、まちづくり三法の改正がある、と書かれているが、これらは見直しの背景として、以下の理由により理解が得られるものではない。
(1) 圏央道沿線地域の土地利用に関わる「埼玉県の田園都市産業ゾーン基本方針」は、地域を無視して策定できるものではない。
(2)同基本方針の「埼玉県3つの提言」には、「地元市町との協同を前提にリーダーシップを発揮します」とあり、市民・地域への問いかけや参画が必要なはずである。
(3)ま ちづくり三法が成立したのが、06年5月23日、すでに法案は2月に提出され、前年より改正方針は新聞報道もされている。
(4)中心市街地活性化基本計画が、03年3月に策定され、まちづくり3法の見直しと関連があった。
(5) 総合振興計画の後期計画は、このような桶川市や社会情勢が十分理解されていたはずであり、市の将来を決定する重大な問題を上から押し付けるような決定プロセスは極めて問題である。
(6)後期計画の策定は2006年3月。1年も経過せずに変更をすることは、策定時の3月以降に地震・災害などや、突然の大規模計画の浮上など、急激な社会情勢の変化が生じた場合以外には認められないものである。
(7)すなわち、いつでも変えることが出来ると、市民に印象を与え、総合振興計画や市政への信頼性を自ら放棄し、その役割りを持たない絵空事となってしまうからである。
(8)以上のような問題点を指摘した上で、今回の広報によるお知らせだけでなく、坂田地区、下日出谷東地区の地域には説明会を行い、住民主体のまちづくりの第一歩とすべきである。

2. 見直しの1、下日出谷東地区の商業系土地利用について

 後期計画117ページの土地利用の変更は、社会的情勢に逆行した都市計画の趣旨を理解しない変更である。「市民生活の多様なニーズに対応した副次的な商業等の機能」とは、具体的に何を想定しているのかは明らかではないが、変更の意図として、特定の施設を想定していると考えられる。
 しかし、それも明らかにされていず、情報公開の時代に市民をないがしろにした変更であり以下の理由から認められない。仮に、想定がないとしたら、なお更のこと住民参画の元に変更すべきであり、広報でお知らせや意見を求めたのみでは、情報提供や参画とはならない。
(1)商業系土地利用の中に、下日出谷土地区画整理事業用地を入れること自体が、都市計画の趣旨に反する。
(2)下日出谷東地区は、区画整理事業として、多くの地権者の合意の下に組合が成立されている。ほとんどの組合員は居住環境の改善を望んでいたはずである。
(3)又、2001年12月策定の区画整理事業運用指針では、「区画整理事業は道路、公園等公共施設の整備・改善と宅地の利用の増進を一体的に進めることにより、健全な市街地の造成を図る事業手法として、我が国の都市整備上最も中心的な役割を果たしてきた制度である」とあり、あくまでも公共施設の整備改善と宅地の利用増進が目的であり、商業地域に変更することによるまちづくりは想定されていない。
(4)商業地域は、当然商業活動を進めるべき地域として土地の利用集積や高度利用を図るべき地域で、宅地の利用増進とは異なる地域である。
(5)今後商業地域として変更をするのであれば、これまでの区画整理事業としての国の補助金は、その目的から逸脱したもので返還を迫られる事態も生じる。
(6)都市計画は市域全体で計画する必要があり、一方で中心市街地活性化を推進し、それに相反する市内の地域があることは都市計画の無策であり、特定の事業者の利益誘導になりかねない。
(7)中心市街地の活性化に逆行することは避けられず、市内中小商店を圧迫する資本の流入が見込まれる。その場合には大規模店舗立地法の考え方を導入すべきであり、変更案を提示する前に商工業者との協議が先であるがなされていない。
(8)総合振興計画は土地利用のみを計画するのではなく、市の総合的指針であることから、78,79ページ(商業振興)の内容と矛盾をきたすことになる。
(9)又、このような拠点施設を商業地域に変更することは、周辺の住民や生活環境に著しい影響を与えることとなる。まず、立地予定の施設を明らかにしたうえで、周辺住民や地権者の合意を得てから、変更をしても可能なはずである。
(10)大店法の立地に関する自治体の同意のために、先に用途地域を変更するなどという姑息な手法は、都市計画の理念がなかった頃の手法であり、改正を重ねてきた都市計画法の趣旨や政府の方針は、住民参画であることを忘れてはならない。今回のように、後期計画策定直後の立地施設も不明なままに用途地域の変更を想定した後期計画の再変更は都市計画を理解しないものであり、認められない。
3. 見直し2、圏央道インターチェンジ周辺地区について
 長い間住宅市街地として暮らしてきた坂田地区、桶川団地などの住民、周辺住民はほとんど情報を知らされていない。以下の理由で反対である。
(1)地権者との話し合いは重ねたというが、工業系土地利用、工業施設の立地にあっては、当然周辺住民にも詳しい情報は提供されなければならない。
(2)しかし、地権者以外の周辺住民や地域への説明会は、一切おこなわれていず、都市計画変更を知らない住民も多い。
(3)今回は、後期計画の策定直後の変更であり、その信頼性を損なうものであり、2と同じように住民の意見を求めた後に、計画を変更するべきである。
(4)従って、仮に変更するのであれば、「地権者合意に基づく」の部分を「地権者及び周辺地区住民の合意に基づく」と変更し、説明会などの具体的な情報提供と住民参加の元に変更すべきである。
4. 見直し3.土地区画整理事業地区、西地域について
この見直しは、1と同じ変更について、屋上屋を重ねる手回しのよい変更としただけで、全く同じことである。
公園緑地機能は、区画整理事業の中で当然計画されているものであり、都市計画マスタープランにも計画されているものであり、この表現は広域商業機能をカモフラージュするものに過ぎない。
1の副次的商業機能、3の広域商業機能は、同一の場所とその周辺と想定され、大幅な生活環境の悪化と、1で述べたような都市計画の矛盾を引き起こすので、認められない。

  • URLをコピーしました!
目次