お粗末な判決!709万円が裁量権の範囲?

庁舎設計契約解除金訴訟の判決
9日の水曜日、庁舎の設計契約解除金の返還訴訟の判決がありました。
結果は、明らかに不合理であるとはいえない、と言うものでした。
この裁判、中身は私たちの主張が至極まともでした。もともと、市長の政治判断と、建築基準法を知らないお粗末さと、法律を守る精神のなさが招いた結果です。
さぞかし、まともな職員はこの結果を嘆いていることでしょう。だって私は何人もの職員から、高すぎる、驚いた、という声を聞いたからです。判決に期待し、桶川がまともになって欲しいと願った職員は少なからずいたはずです。
渡辺元議長の遺言
この裁判、証人尋問で明らかになったことには全く触れていません。向かい風に書いたように、設計会社からの請求書ではなく、辻本建築課長が作った架空の請求書を元に、あたかも設計会社が出したもののように起案がされ、決裁されていたのです。
だって、監査請求での関係人の証拠調べの中で、設計会社の松田平田設計が、「そのような請求書は知らない、私どもは出していない」と答えているのです。
さらに、問題なのは、当時の中村総務部長が、松田平田設計と契約解除の損害金の交渉をして帰った時に、故渡辺議員の自宅を訪問し、「おかげさまで200万円で済みました」と、報告しているのです。
「それは良かった。ご苦労様。」と会話をしたというのですから、その後709万円を支払ったことを知ったときは驚き、怒り、一般質問をしたのです。
そして、渡辺氏は私に「おかしいぞ」、と言ったので、私はあらゆる資料を情報公開したのです。
この件では、監査請求をしろ、というのが彼の口ぐせで、市議選が終った直後、供託金をそっくり弁護士に払って、裁判までお願いしたい、と監査請求をしたのです。
709万円の根拠
この709万円という数字、200万円で済んだという部長の話から類推すると、きっちり500万円が上乗せされています。
建築課長はこの金を膨らませるのに、相当の努力をしたことでしょう。そして、損害金では額が多すぎること、議会の同意が必要なことで、それを避けるために委託契約にはない「出来高払い」を採用するよう悪知恵をつけたのは、誰なのでしょうか?
なんとなく想像はできるのですが、それにしても悪質、汚い話です。
500万円は、どうして上乗せされたのでしょう。それは、松田平田のトップから、「返せ」と言われたのではないでしょうか?
だって、この会社に決定するために、プロポーザルの採点に意図的手法を用いているのですから、その前にお金が動いたと考えるのは、私だけではないはずです。
当時の松田平田設計は、公取委から注意を受け、建築家協会から訴えられていたので、公共事業は一つも取れていません。おそらくどうしても桶川の仕事を取りたかったのではないでしょうか?
 
某県内ゼネコンが早朝市長の自宅に
私は当時いろいろと市長の噂を聞いていたので、時々市長の自宅周辺をうろうろしています。何しろ議会答弁で「私は、何ひとつもらった事がない」と、答えているのですが、ご近所からは全く正反対のことを聞いていたからです。
 
そして、議会が「土地を確保してから建築するよう」決議を出したとき、その日の夕方と翌朝も車で見にいきました。
夜は何事もなし。帰りが遅かったので、待ちくだびれて帰りました。
翌朝・・・・ビンゴ!  早朝、大きな車が一台、市長の自宅に慌てて入り、約30分。帰る車の顔を確認したら、某ゼネコン社の取締役。
やっぱり、建築会社は決まっていたんだ‼   わかりやす-!・・・・と思いました。
 
私たちの編集した「建築革命」の本の中には、設計会社は、安く請け負って仕事をとり、その分をゼネコンから回収するのだそうです。・・・・・フーン。
松田平田は回収し損ねた上に、いっぱい使っちゃった、というところなのでしょうね。でも、請求書を書く手間など冗談じゃない・・・・だから市長は、課長に作らせて、膨らませた額を松田平田から提示されたと、嘘を書いたのでしょうね。つまり何らかの弱みがある?
 
裁判所の姿勢
行政訴訟で住民が勝つ確率は非常に低い。だから、負ける可能性の方が大きいと思っていました。
しかし、こんなにも膨らませた額、しかも社内業務をデッチあげたこと
議会の同意を取らなかったこと
支払ったことをひた隠しに隠していたこと
建築家の鑑定を受けて正式の調査書を提出したこと(500万円の過大を指摘)
証人尋問が実現したこと(検査はいい加減と判明)
などを考えると、ひょっとして、まともな裁判官かも、・・・・って思った瞬間もありましたが、
やはりこの国が変わるのはまだまだだと思いました。
その前に、政治が変わらないと、裁判も動かない、と改めて学びました。 
それにしても、このまちの不正、違法のオンパレードは、市長の法律を知らないことから、始まるのでしょうか??  モラルのない市役所を許している議会も問題ですが。
 
渡辺元議長が、生きていたら、さぞ怒ったことでしょう!
判決の日、霊前に判決書をおき、報告して来ました。その日は、良いことがたくさんあったけれど、渡辺さんのねぎらいでしょうか?
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経過

  1. 2005年6月6日,庁舎の建設場所を下日出谷東特定土地区画整理組合地内の公共保留地から現在地(賃借地)に変更し,所有者(賃貸人)からの用地買収額を2億7000万円とすることを報告した。
  2. 2006年4月 市長は桶川市議会において,高野和孝議員の一般質問に対し,「地権者との用地売却交渉は困難。当面借地方式とする。」旨答弁した。
  3. 同年5月28日  桶川市庁舎建設プロポーザル審査委員会で,設計者に株式会社松田平田設計を選定した。(秘密会議で、選定の配点に意図的工作がされた)
  4. 同年7月18日 桶川市は,株式会社松田平田設計と本件契約を締結した。契約金額は2714万6700円(消費税を含む)であった。
  5. 同年8月4日 桶川市議会全員協議会で,現在地の隣接地をさらに借地して容積率を変更する計画を市が提案したが,異論が続出した。
  6. 同年9月20日 桶川市議会は「新庁舎建設を急ぐあまり,将来に禍根を残さぬよう慎重な取り組みを求める決議」を行った。これは,建設予定地につき所有者から用地取得ができていない現状では基本設計にかかわる事務を停止し,取得が不可能である場合はこれを取りやめるべきであるとの内容であった。
  7. 同年12月議会において,被告は,地権者との交渉中である旨の行政報告し,「売却の場合は,代替地との交換の方法を並行して検討中」と述べた。
  8. 2007年1月17日 株式会社松田平田設計に対し,契約解除の通告をした。
  9. 同年1月23日 議会運営委員会において,地権者との調整・合意は不成立であり,本件契約を解除するとの報告がされた。
  10. 同年1月26日 株式会社松田平田設計と本件契約解除の合意をした。
  11. 2月6日 委託解除の通知(市長から松田平田へ)
  12. 2月9日 松田平田、市長へ承諾(受諾2月20日)
  13. 同年2月22日 株式会社松田平田設計から,業務実績報告書(各課ヒヤリングシート,現状レイアウト,勉強会資料,見学会資料,打ち合わせ記録の5種類)が提出された。ただし,この時点では請求書は提出されなかった。
  14. 同日 桶川市財務課が,上記提出物の自主検査を行った。
  15. 同年2月23日 桶川市財務課長から検査長(助役・石橋正二郎)に工事等検査申出がされた。
  16. 同年2月26日 検査長から財務課長に,上記工事検査を3月2日に実施する旨の執行通知がされた。
  17. 同年3月8日 検査長から市長に工事検査室検査結果報告がされた。(出来高、支払い可能額は、7,090,650円と確定)
  18. 同年3月12日 財務課が精算を金709万0650円と決定する旨の起案をした。(株式会社松田平田設計からは802万2263円の提示があったが,県の単価計算で709万0650円としたとの説明)
  19. 同月15日 検査長から財務課長に出来高検査結果通知書が渡され,精算金決定決裁がされた。
  20. 同日   精算金確定決裁がされた。
  21. 同日   21の工事検査結果報告につき,市長決裁がされた。
  22. 同日   株式会社松田平田設計から709万0650円の請求書が出された。
  23. 同月19日 709万0650円の支出命令書が起案された。
  24. 同月23日 支出命令書につき決裁がされた。
  25. 同月28日 709万0650円を株式会社松田平田設計に支払った(みずほ銀行赤坂支店への振込送金による)
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