先週の土曜日の13日、旧本陣を利用しての「かがり火狂言」が行われました。庭に桟敷を作っての一年に一度の贅沢なイベントです。観客は250人程度。桟敷やテントの設営費や仮設トイレなど、狂言師の交通費や宿泊費や謝礼など、翌日の「子ども狂言教室」を含めて総額300万のお金を捻出しなければなりません。
狂言 柿山伏
上原市長の時は、市と共催の形をとっていましたので、寄付もそれなりに入りましたが、岩崎市長になってからは、共催をはずし、政治的な拒否をされることも多くなりました。例えば、岩崎氏の息子の勤めるコカ・コーラなどは、それまではとても協力的だったものが、手の平を返した対応で、妙に不快な断り方をされた記憶があります。つまり、地域の文化に理解を示しているのではなく、仕方なく寄付をしているとか、政治的支援の一環として寄付をするといったような、大手企業でも、体質が見えてしまうことが良くありました。それにしても、文化を支援しないまちでの企画や事業は大変です。
にも関わらず、地域の人も商店会の人も一生賢明で、みんな文句なしに働きます。ポスターはり、テントの設営、その他あらゆるこまごまとした仕事を私たち「ゆけ!ゆけ!市民の会」の仲間や、演劇をやっている人やボランティアも一緒になって、それは必死の作業です。みんな仕事を持っているので、前日から一気に作業、当日は開演時間までに、すべてを終わらせなければならないので、息もつかずに数十人が飛び廻ります。
狂言 吹取り
観客の中には、商売でやっていると思っている方もいますが、持ち出しが多く、イベントが終わるたびに、「今回で終わりだ!」と、決心するのです。でもアンケートを読んだり、お礼の言葉を聴き、来年の春になると、すっかり苦労を忘れ、また始めてしまうという、不思議な魅力を持った事業です。
しかし、翌日の狂言教室も含め、県や「子ども夢基金」の会計報告や報告集の作成など、実に大変かつ膨大な作業量に、何のための事業がわからなくなることもしばしば。 ストレスの多い日々が続きます。
満席の会場
私達は、ゆっくり鑑賞することは出来ないまでも、満席になった会場やかがり火の中での狂言の雰囲気など、独特の趣があります。文化財を生きた使い方をする一つの方法として、これからも模索していきたいと思います。
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