一企業のための廃道、付け替え

 先週木曜日の12日、一般質問が終わりました。今後少しずつお知らせできればと思いますが、明日は最終日。補正予算と、全ての議案、意見書について、審議と決議がされます。一つ一つの議案に、議員のスタンスや市の将来がかかっているので、気を抜けません。私は、全ての議案について、質疑をすることにしています。たとえ可決される議案でも、問題点は明らかにしておかねばなりません。それが、今後の行政の運営に一定の歯止めにも忠告にもなるからです。
前議会では、予算に反対した議員が1名増・・・居眠りで?
そんな大事な最終日ですが、3月の予算議会は体力と気力の勝負。1年前から、予算の質疑を委員会に任せたため、本会議で委員長の報告の質疑をすることになりました。それまでは、本会議で全員で、予算を質疑し、審議していたので、委員長の報告はいりません。毎日予算書を1ページずつめくって、誰もが公平に審議できる機会があったのですが、私のいない2年間でその制度を廃止してしまいました。
従って、最終日は、たくさんの質疑と議決のラッシユ。予算の採決が行われるときです。ハプニングがおきました。採決は起立で行います。勿論私は座ったまま。ところが約1名。私の脇の進藤議員が寝てしまって起きないのです。 従って、反対は5名。
向かい風、採決表間違えました
 今日になって、一般会計に反対したのは、5名だったと気づきました、お詫びして訂正します。あの時は、最初の予算議会で、本人も勝手がわからず、こんなことになってしまって、お気の毒と、思いました。
私も、時々睡魔に襲われることがありますから、居眠りを責めることは出来ません。しかし、市民の付託を受けて審議している一年間の予算と本会議。せめて眠るまい、とする努力や緊張感は必要です。だから、その直後に報告するのは控えていました。私なら、落ち込んで、しばらく立ち直れないと思ったからです。そしてそのまま、忘れていました。次の向かい風で訂正しなければ。明日の最終日を前にして、思い出す私も随分、ドジです。
文教経済委員会での廃道議案
 前回報告した川田谷の廃道議案。委員会は、9日。現地調査に行ったところ、今まで市道が工場敷地と一体になって使われていた形跡が明らかになり、更に、敷地の埋め立てにより、市道が分断され、市道が河川になっていたのです。この先には、旧川田谷村役場の所有する村の貯水池があり、黄菖蒲が群生した沼地になっていました。雉(キジ)が生息し、多様な自然が残る場所であり、昔は荒川から水路を引っ張り、この池が江戸との交易の荷を積みおろしする船着場だったようです。だから、この細い道は、村人が荷を運んだ街道でもあったということを知りました。こんな歴史的にも由緒ある道を管理してこなかったのだから、驚きです。川田谷に多くの議員がいても、知らなかったのでしょうか? もっと歴史や文化を大切にすべきだと私も反省しました。
議会に戻って審議が始まりました。まず、先に佐藤委員、「道路とは何か」「農業への影響は」・・・・これに対し、あらかじめ回答を用意していた道路課長、延々と原稿を読み上げて答弁。質問も答弁の趣旨もよくわからないけれど、通すことに問題ない、と言うことらしい。私の本会議での質疑ー道路法の廃道の要件は厳格。一企業のために廃道はおかしいーを意識したのでしょうか ?
次に渡辺委員。何と、前年度に庁内組織の「廃道敷等処分検討委員会」で、審議結論が出ていたことが、質疑で明らかになりました。ところが、その申請が「日本マンホール㈱」から出されている、今回の申請者は高村建設工業㈱なので、おかしいと同委員が糾しました。これに対し、宮崎道路課長「ご指摘の通りなので、改めて申請を出しなおしていただく」・・・えっ、それではこの議案は取り下げではないか?
提案理由は、高村建設工業が、「一体的土地利用をしたい」との申し出。会社が変われば、操業だって変わる。第一、申請の出ていないものを、庁内で審議するなどもおかしい。
午後で一転
 昼食後の再開で、これが一転する。「土地が承継されているので、申請も承継されているとみなされるので、申請は改めて求めない。」
そう言いたいのはわかる。だって議案として成り立たないから。しかし、そんな法律がどこにある ? 土地登記簿に記載された権利が譲渡主に承継されるのはわかる。しかし、これは権利でもなんでもない。申請であり、その申請も建築基準法屋環境アセスメント法などに記載されている承継事項もない。その場合でも、手続きは必要だ。しかし、この委員会、この基本的なことすら、議論しない。渡辺委員が頑張ったものの、そこは突っ込められなかった。
佐藤議員が審議して通した案件
 更に、渡辺委員が検討委員会のメンバーを資料で要求。この場所、最初は、農地を転用して資材置き場を確保し、その隣の既存宅地の開発となる。その後も、次々と周辺を資材置き場として、農業振興地域の除外、農地の転用と敷地が広がっていって、市道も10年以上勝手に使用収益していたのです。
そこで、渡辺委員が、農業委員会事務局に聞きたいと要求した。これに対し、「その必要ないと思います。」 と、臼田委員。
進藤委員「私もそう思います。」  佐藤委員も同調。
委員長「他の委員は呼ぶべきでは無いと言っています。」
渡辺委員「佐藤委員は、自分が検討委員会のメンバーだった方。賛成の立場から言っているのでは。」
すかさず、突然大きな声で佐藤委員「委員長!」
委員長「ハイ、佐藤委員」
佐藤委員「 それは失礼ですね。私が委員会に入っていたからといって、賛成とは限らない。議事録削除を求めます! 」
そこで渡辺委員が反論、これに対して佐藤委員「これにも削除を求めます!」
・・・
傍聴席には数人の議員。「・・・。」この問題は、私たち市民全体の問題でもあると思います。現在の法律では、今まで職員だった人が、議員になれないというのはないし、現に全国的にみても官僚から国会議員や首長、職員から転進して議員になる人もいるのです。少なくとも地方自治法に則り、選挙で選ばれたのだから、何の規制もない。残るのは市民の素朴な疑問。私も一市民として、胸に痞える物があります。いくら立場が違うといったって、自分のやってきたことを正当化するのは当たり前。否定したら、一貫性もなく、それも変。
資料
農業委員会の事務局に聞く必要ない
 結局、その後関根隆夫委員も「聞く必要が無い。」
これに対し、永野委員「必要だと思います。」・・・・これも打ち消され、大隈委員長の「呼ばないと決定します。」で没。審議は疑問がある限り徹底的に審議するのが当たり前だ。私の長い議員経験の中で、こんな事は初めてだ。よっぼど、破天荒な質疑ならともかく、議会が自らのチェック機能を放棄し、その是非まで議論して否定してしまったら、天にツバを吐きかけるようなものだ。第一、佐藤委員が、「農業の影響は」と聞いているのに、道路課長が答えていること自体がおかしいではないか。本来なら、農業委員会に聞くべきものではないか。
隠れた開発計画 ?
 どうも変だ。この場所は、圏央道のランプ直近。何か開発計画が隠れていると思わざるを得ない。同社は北本にも工場があり、ここでの操業が絶対必要なのか? 不動産業まで出かけている会社である事を考えると、誰かと誰かが話し合って、隠れた開発計画があるのかも知れない。秘密の政治はここでも繰り広げられているのでしょうか?

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