伏魔殿は本当なのに

 今週火曜日の2日、市長は舛添厚生労働大臣に「抗議文」を送ったようです。夕方のテレビには、市長のインタビューが放映され、ニュースキャスターは、「市役所の職員からなられた方で、ずーと市の仕事をしてきたので良くわかっているのですよね」とのコメント。だから、大臣の「自治体は最後の伏魔殿」は、言いすぎ、という構成です。私は、今なぜ市長がこのようなパフォーマンスに出たのか、ぴんと来るものがあります。それは後でお話しすることとして、桶川市には、苦情の電話も入っているようです。「二重払いをしておいて、抗議はないだろ!」つまり、。そんな場合ではないと言うことです。
 まさに桶川市は伏魔殿。一つ扉を開けたら、二重払い。もう一つ開けたら公文書偽造。奥に行けば行くほど、どれだけの公文書偽造や不正が行われたかははかり知れないのです。しかも、監査請求によって、扉の向こうに光をあてたのにも関わらず、市長はまたその火を消してしまったのです。文書注意で済ませてしまった市長、しかも余りにもその処分は早かった。まだ何も解明されていないうちに、処分をしたことを不思議に思い、私は処分についての会議や資料を情報公開してみました。
事務的ミス?
 まず、驚いたことは、監査結果が新聞に出た直後の8月28日、庁議の中での市長の発言です。「今回の監査請求で出た事務的なミスなど、おろそかにされて徹底しいないと思います。特に担当者の事務的に判断ミスがあり、支出票など間違った処理をしてしまい、上司に上がっていない。担当者がきちんと判断することが大事だが、難しい場合は、上司の判断を仰ぎ、場合によっては市長まで相談することも必要だと思います」その他、延々と愚痴じみた話しをしていますが、要は自分に上がっていなかったことが多い、という内容です。
 監査請求は6月1日、そのとき以降の市長の指示もコメントもなく、できれば却下に持ち込みたかった意図が監査資料の中にも読み取れます。
 話を元に戻して、桶川市事務処理要綱で、課長決裁分のもの。市長に上がっていなくて当然のものであり、むしろモラルの徹底や管理者の指導を行うのが市長。それをこのように話すのは、この状況を知っていたからではないかと思われます。
 実態調査を指示していないのに、事務的ミスとの言葉がそれを物語っており、何よりも、この中からは「市民に対し申し訳ない」と言う意味の発言は皆無です。さらには、「仕事をする上では、正社員だけでなく、100人以上のパートさんやアルバイトさんが働いている訳ですが、こうしたパートさんも含めて、日常の仕事の中で情報管理や守秘義務の徹底をお願いしたいと思います。・・・略・・・指導していく立場にある管理職の皆さんには、良く掌握していただき、適切な指導と式が出来るように。普段から部下との信頼関係を持つことが大事だと思います。」
 まるで、内部情報が漏れたから監査請求をしたかの表現もありますが、私はこういう処理についてまったく疑ったことはなく、(というのも市議になった2年目の決算委員会で、徹底的に審議し、見積もりをしない随意契約を止めさせ、当時で約1億円の節約を出来たと管理職から感謝されたのです。)ふとしたきっかけから、会計課の支出票を情報公開する羽目になったわけで、それでもその後も信じられず、全容がわかるのに半年以上かかっているのです。
 この発言や9月議会の答弁から、伏魔殿にしているのは市長ではないかと考えています、教育委員会は、会計処理については余り熟知していないこと、その処理は市役所からの派遣組みで構成されていることからして、教育長に答弁させるのも酷なことです。しかし、そうは言っても、制度上はトップにあるので、今までは黙っていた分野にも権限を行使してもらう必要があります。
責任を感じていないから抗議文
 今回の舛添大臣の抗議文は、年金のことはちゃんとやっている=市役所もちゃんとやっている=単なる事務的ミス、とのイメージを作りたいのだと思います。
 というのは、私は街頭で「舛添゛大臣の伏魔殿とは桶川市のこと」と話しているからです。処分のことも告発するかどうかで市町村と大臣の間でもめていますが、納税者の信頼回復という点では、やはり処分は必要なのです。そうでないと二度と繰り返さない、というための刑法の罰則制度そのものが崩れていきます。
 抗議文を出したら、桶川市の状況がクローズアップされます。そこで二重払いや公文書偽造が逆に表に出ることになるとは考えないのでしょうか?だから、市民が苦情の電話を入れているのではないのでしょうか?
 そういう意味でも、市民がいかに傷ついているか、わからないのでしょうか。この状況に暗澹たる思いでいましたが、良心的な行動する市民が増えていることが何よりの救いです。
 
  

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