虚偽の報告をした民経委員長

9月議会が終わって、2週間が過ぎましたが、先週は民生経済常任委員会で宮城県に、農業の六次産業化と、認知症対策の先進地を視察してきました。結構ハードなスケジュールで、風邪が治りかけていたのに、まちぶり返してしまいました。
その原因の一つが、視察の宿泊地での懇親会の最後に、加藤委員長とのバトルでまた喉を傷めたことにあります。
今は治りつつありますが、何人か衆議院選挙の応援に行かねばならず、桶川の違法を正すべく監査請求もせねばならず、気持ちばかりが先走る感じで、ふうふう言っています。
で、この話を早く伝えようと思っていて、今になってしまいました。
9月議会最終日
議会最終日は、全ての議案の審議の結果が各委員会の委員長より報告があり、それに基づいて、賛否の決が取られます。
又、本会議では、前回報告した契約議案や補正予算が審議され、それも決を取ることになります。
民生経済委員会は、今回1本の議案「桶川市子ども・子育て応援基金条例」のみ。
委員会の審議で驚いたのは、桶川市への寄附やふるさと納税で、使途の希望を書く欄に、「子育て」があり、その部分のお金をプールするためというのです。
その委員長報告は、最終日に行われ、質疑の概要を報告した後、最後に委員長がこう報告しました。
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討論の中で附帯決議がございましたので申し上げます。
 使途について、計画的かつ具体的な基金として、市民に理解できるよう早々に運用規程を定めることというもので、この附帯決議は賛成多数でありました。
 これらを踏まえ採決をした結果、第48号議案 桶川市子ども・子育て応援基金条例は、全会一致で可とすることに決しました。
 以上で、民生経済常任委員会の委員長報告を終わります。
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この内容、実際の議事とは違ったものだったのです。
この前代未聞の珍報告、その顛末を報告します。
寄附は、子育ての他、「緑化の推進や緑の保全」、「文化芸術振興」、「旧熊谷陸軍飛行学校整備及び管理」「その他、市の総合振興計画の実現」のための事業と5項目にアンケートをしているそうです。
つまり、寄付をもらった処理方法のために基金を作るという極めて安易な条例だという事がわかりました。具体的な使途も不明、取り崩しも不明 !
本来、子育ては福祉の一部。地方自治法の目的でもあるのですから、毎年の収入に応じて、子育て支援策を講じていくものです。しかも、国が2分の1.県が4分の1、桶川市が4分の1などの負担割合も多く、市の持ち出しが少なくて、子育て事業ができることになっている仕組みです。
従って、基金に積んでしまって、お金をプールする=子育て支援を先のばしをすることは、市の責務である福祉の充実を怠ることでもあるのです。ある意味で寄付者の意向をないがしろにすることにもなります。
基金の性格
庁舎建設基金は確か20数年前に積み始め、38億円近くあったものを耐震工事で取り崩したりして、28億円になり、今回支払いにすべて取り崩します。
従って、大きな支出を伴う計画がある場合には、一度の支払いや借金は、財政をひっ迫させるので、基金を作るようにしてきました。
だから、寄付の希望があったからと、安易に基金を作るなど、ありえないのです。
地方自治法では、基金について、「第4款」として別個定めているのです。
地方自治法第4款

(基金)
第二百四十一条  普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。
 基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用しなければならない。
 第一項の規定により特定の目的のために財産を取得し、又は資金を積み立てるための基金を設けた場合においては、当該目的のためでなければこれを処分することができない。
 基金の運用から生ずる収益及び基金の管理に要する経費は、それぞれ毎会計年度の歳入歳出予算に計上しなければならない。
 第一項の規定により特定の目的のために定額の資金を運用するための基金を設けた場合においては、普通地方公共団体の長は、毎会計年度、その運用の状況を示す書類を作成し、これを監査委員の審査に付し、その意見を付けて、第二百三十三条第五項の書類と併せて議会に提出しなければならない。
 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
 基金の管理については、基金に属する財産の種類に応じ、収入若しくは支出の手続、歳計現金の出納若しくは保管、公有財産若しくは物品の管理若しくは処分又は債権の管理の例による。
 第二項から前項までに定めるもののほか、基金の管理及び処分に関し必要な事項は、条例でこれを定めなければならない。
第3項にあるように、きちんとした目的が無ければ基金は作れません。しかし、条例では
第1条  安心して子育ができる環境づくりを 推進すともに、次代を担う子どもたちの健やかな成長に資するための事業に要する経費の財源に充てるため、桶川市子ども・子育て応援基金を設置する。
という漠然とした内容になっているのです。
家計で、予期せぬお金が入ってきたから、貯金通帳に入れておこう、という安易な貯め方は、ありえないのです。
委員会の質疑の中で、基金にしてしまうと、お金はストックになり、今使えない。子育ては待ったなしではないか、と聞きました。
質疑の概要を以下に報告します。
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市民生活部長 単年度ではなかなか難しいという事業もあり、基金の特性をうまく生かしながら、今回子育て支援にぜひ使ってほしいという方の思いに応えながら、ああ、そういうことに使っていただいたのですねというものを今後示していくということが大切であろうと思っております。
北村 子育ては福祉の根幹であって、地方自治の公共の福祉の増進という一番の中心にある。それは、地方自治体の義務としてちゃんと予算化し、仕事をしているわけだ。その一部に充ててくださいというのだったら、ありがとうございますで、基金ではなくて、すぐ使うか、基金にするのだったら、何か建物をつくるために例えば一般会計の剰余金を少しずつ入れながら、何年間の目標にして、幾らで建てると。漠然と子育てにとみんな基金にしてしまうのは、それは寄附者の思いに応えることではないと思う。

市民生活部長 今後、この基金というものが正のスパイラルをしっかりと生んでいけるような、そういった流れをつくり出す一つのきっかけとしても考えていかなければいけないと思っております。
今回の基金は多くの方々と、その子育てというテーマも見詰めつつ、一緒にこの基金を温めていきたいという気持ちでおります。桶川市には桶川市民として生活されている方もいらっしゃいますし、桶川市で働いているという方々もいらっしゃいます。そのような多くの活躍する方々の中にあっても、いろいろとこちらからの啓発活動も大事だと思っておりまして、いろいろと広報、宣伝も充実させていくことが、この基金を活性化させるためには重要であろうと思っております。
 その使う時期等のご質問もいただいておりましたが、今考えておりますところは、必要なものを必要な時期に活用していきたいということで、その時々の一番タイムリーな時期を捉えて考えていきたいと思っております。
北村 いろいろと言葉の羅列をしたけれども、地方自治体として必要なものを必要な時期にといって、それを明確化しないでお金を集めるなんていうことは、とんでもない話だ。
桶川市の次世代育成支援行動計画で、例えば西側に児童館はいまだ見通しが立たないと書いてる。それすらやっていない桶川市が、子育てに何かやりたいとか言ったって、そんなふうに正のスパイラルなんて、どこに生むのか。それだったら、何のために基金を積むということを明確化すべきです、北本はこども館でしたか、上尾市は2つもあると。桶川市がすごく今評判悪くなっているの、知っているか。本来だったら、今までやれなかったものをきちんと姿勢を持って基金を出すならわかる。いかにもこれからやるべきことを後回しに延ばしていくために基金をつくったみたいな雰囲気が見えてしまう。
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最後は
〇加藤ただし委員長 それでは、以上で討論を終結いたします。
今回、附帯決議ということで、計画的かつ具体的な基金として市民に理解できるように早々に改正するという附帯決議がございましたが、これに対して採決を行います。
挙手にて採決をいたしますので、賛成の委員の挙手を求めます。

〔挙手多数〕
〇加藤ただし委員長 挙手多数でございますので、附帯決議とさせていただきます。
それでは、第48号議案 桶川市子ども・子育て応援基金条例は、附帯決議を付して可とするべきものと決します。
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委員長は、2つの虚偽報告をしています。つまり私は、休憩中にきちんと文案を示し、現時点では賛成するけれど、この安易な基金ではなく、使途目的を明確にした条例に速やかに改正をする前提での賛成、という事で提案をし、賛成多数で、可決したのです。それを早々に運用規程を定めると、条例を「規程」に変えて報告をしてしまったのです。
条例は、議会の議決事項です。その下には規則があり、その下に要綱、その下に規程と、これらは行政が勝手に決めたり、変えたりできます。議会に報告の義務もありません。
刑法事犯なら、条例違反は違法、その他は有罪になりません。
事実を捻じ曲げた報告は、議会の多数が黙認しても、それが正しいとはなりません。真実は一つです。
勿論、この後、私は何度も抗議しています。委員長の理屈は、取るに足らないものです。「条例改正なら、反対になってしまうから。」
事実をゆがめたことの言い訳にはなりません。
そしてそのついでにもう一つ、「全会一致」と報告していますが、「賛成多数」です。
一つ嘘をつくと、つじつま合わせに、もう一つ嘘が重なる。その典型例です。
委員会を開く
さて、視察の夜、この議論で委員長と私の応酬がくり広げられました。視察は和気あいあいに協力しながら、というのが慣習ですが
今回は、議会人として、あるまじき問題だと思っています。絶対に許してはいけないものです。だから、なるべく早く正してもらおうと、
12月議会の視察報告に合わせて、委員長報告の訂正をしていただきたい、と申し入れたのです。
これに対して、加藤委員長「委員会を開く」と。それで、認めさせようというのでしょうか。
「一事不再理」の原則を知っているのでしょうか。議会の議事は内容を歪めてはいけないし、嘘をついてもいけません。他市の議員に話すと、ありえない、と言われてしまいました。
もっとも基本的な原則を守らなければ、議会は信用されません。
どれが本当か、議会だよりも本当のことを書いているのか怪しい、税金泥棒と、言われてしまいます。
執行部の態度も同罪
今回、視察に健康福祉部長も同行しています。
だいたい、執行部もおかしい。「速やかな条例改正」が付帯決議だったのは、その場でわかっているはず。私が本会議で、条例改正はするのか、と聞いたら、その気はない。と平然と答えましたよね。よくそんなことが出来ますね !
議会の審議は真剣にやっていますよ。その議会の議論を平気でないがしろにするのは不遜ですよ。ふざけるな !
つまり、執行部は、加藤委員長が報告内容を変えたことを事前に知っていたという事です。
だから、議会で、条例は変えない、変えなくて良い、と執行部となれ合ったことに、依存したという事です。
職員の守るべきは、市長の指示命令の前に、地方自治法です。憲法です。
憲法改正を望む輩がいても、現在の憲法を守るのが公務員です。
 
 
 
 
 
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